夢ピカ通信 第n夜
繰り返し見る夢がある。
全部同じというわけではないけれど、
いつも変わらないのは、
泳ぐように体を動かすと空中に浮かべて移動できて、
眠くて横になって休みたいけれど地面がある場所には敵だったりややこしいものがいて(この状況や程度は夢によって様々で)、
空に逃げるけれど、空には天井があってぶつかってしまう。
へとへとになりながら空の天井に沿って飛んでいると、壁紙のようにめくれているところが見つかる。
むりやりそのとっかかりを爪でひっかき剥がすと、骨組みの角材が見えて、その間に体をいれると、空の外側に逃げることができる。
そこの景色は白っぽくて、でも毎度どのあたりで夢から覚めるのか、空の外側の様子はあまり覚えていない。
あまりいい夢ではない。
ずっと上に上に、と体を動かして泳いでいるから、目が覚めたあともとても疲れている。
とにかく足をつけられるところ、体を預けられるようなところには必ず邪魔が来るから2秒も休めなくて、うんざりしている。
いつ頃かまでは、ものすごく高いところまで行けば、泳ぐのをやめても地面に落ちるまで結構な時間があるから少し眠れるはずだ、と思ってひたすら上まで上って、段々と下の方で追いかけてきたものたちのことは気にならなくなって忘れてぼーっとできていた。
それが、いつのまにか天井が現れて、天井は思っていたよりも低くて、しかもお粗末な作りの壁紙で、悔しさやショックが大きくて、その外側はあまりよく認識できない。
できればこんな疲れる夢はもうみたくないけれど、空の壁紙の外側、少し気になっている。