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【少しでも心に留まることができたら】iroha. インタビュー
ピカレスクで2023/8/27まで開催していた「ピカレスク・ニュー展 Vol.4」にご出展くださったiroha.さんにインタビューしました!
『ピカレスク・ニュー展』は、「気軽に行けるけど特別な気持ちが味わえる」というピカレスクのコンセプトを体現する展示会として誕生し、アートギャラリーに訪れたことがない方でも、気軽に様々なジャンルの作品との出会いを楽しむことのできる企画展です。
透き通る水や空気、そして光の波で表現される、己の中の強い感情とある種の静けさ。そんな iroha.さんの世界をお楽しみください。
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ー初見のお客様に向けて、簡単な自己紹介をお願いいたします。
iroha.: iroha.(いろは)と申します。2023年1月から本格的に絵画作品の展示活動を始めました。
現在はアクリル画・ミクストメディアで自己の感情、知覚や心象を描いた作品制作を中心に行っております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
ー現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えていただきたいです。
iroha.: もともと学生時代から自由詩や短編小説の制作を行っていたのですが、自身の作品を振り返ってみたときに「知覚・心象プロセスの言語化」を一貫して行っていることに気が付きました。
絵でも同様のことができないかを試行した結果が、自分のなかのもやのような感覚の流れを水や空気、光の波という形で表現する現在の世界観に繋がっております。
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ー現在用いている素材や、表現ジャンルに行きついた理由を教えていただきたいです。
iroha.:絵画について専門的なことは何もわからない状態でのスタートでしたので、自分の持っている画材や手を出しやすい画材をいろいろ試した結果、水分量次第で様々な表現ができ、かつ乾燥時の表面が透き通っていて水に近い質感を出すことのできるアクリル画を気に入り、これを中心とした制作を今はメインで行っております。
ー普段作品を制作する際、参考にするものやインスピレーションを受けているものはありますか?
iroha.:自己の内部をモチーフにすることが多いので、自分の日記やメモなどを参照しつつ、過去に撮影した写真や、強い印象を受けた音楽・物語作品などからインスピレーションを受けることもあります。
ー影響を受けたアーティストや、作品はありますか?
iroha.:学生時代に梶井基次郎「檸檬」、北園克衛「記号説」、リチャード・ブローティガン「西瓜糖の日々」の3作品に触れたことが絵画に限らず私の作品制作スタンスの根幹を特に強く形成いたしました。
いずれの作品からも、自分の狭い視野を割り開くような強い衝撃を覚えました。今読んでも大好きな作品たちです。
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ー作品を制作する際に心掛けていることや、作品に込める想いをお聞かせください。
iroha.:自分の作品には素直でいることを心がけています。
普段は人前に出さない想いであっても作品には素直に出し、そうしてできてくる作品に対する自分の感慨を、また作品に反映させることで生まれる自分と作品の間の対話を大事にしながら制作しております。
ー作品展にご出展いただいた作品、それぞれのコンセプトを教えていただけますか?
iroha.:今回出展させていただく作品はすべて、己のなかの強い(ともすると攻撃的にもなりうる)感情をモチーフに制作しております。
ー作品展にご出展中の作品について、お客様に特に見ていただきたい作品のポイントや、こだわりを教えていただけないでしょうか?
iroha.:強い感情が制御不能になった状態を一歩引いて見たときに、明滅や轟音に紛れてある種の静けさのようなものを発見することがあります。
そんな底に横たわるような寂しい静けさについて、作品を通して見つめていただけましたら幸いです。
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ーお客様に向けてメッセージをお願いいたします。
iroha.:ここまでお読みいただき大変ありがとうございます。
絵肌や場所による質感の差異についてなどゆっくり見ていただき、作品たちが少しでも心に留まることができましたら大変幸甚です。
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皆様はどのエピソードが印象に残りましたか?
スタッフは、「強い感情が制御不能になった状態を一歩引いて見たときに、明滅や轟音に紛れてある種の静けさ」という言葉に惹かれました。
作品に描かれている、激しく躍動感のある荒々しい波と、淡くて儚い光の輝き。
それらから、攻撃的にもなりうる強い感情と、その中にある静けさを感じることができる気がします。
自分の作品には素直でいることを心がけ、作品との対話を大事にしているiroha.さん。
作品を通して、irohaさんと作品との対話に触れてみてはいかがでしょうか。
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◇ iroha. 公式SNS
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