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【柔らかな光を内包した、砂糖菓子のようなガラス】奥村朝美 インタビュー


奥村朝美 個展「冬うらら」を、2024年11月27日(水) – 12月8日(日)の期間にピカレスクギャラリーで開催いたします。

今回は、奥村朝美さんにご自身のことや制作エピソード、今回展示される作品についてインタビューしました。ぜひお楽しみください。


自己紹介をお願いします

海や海洋生物を中心に、生き物をモチーフとしたガラス制作をしています。 代表作はさんご礁とめんだこのシリーズです。 制作技法は、ワックス原型を用いたパート・ド・ヴェールです。 ガラスの中でも海を思わせる青色が一番好きであり、制作によく用いています。 様々な色ガラスを使用した制作、丸っこい形の作品が多いです。

現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。

好きなもの、憧れや興味、夢を持てるものを好きなガラスで作ろうと思い、海や海洋生物など生き物モチーフのガラス制作を始めました。 作品目標として「見た人の気持ちが少しでも浮かび上がるようなもの」「その人の日常の内にそっと寄り添っていられるようなもの」を掲げていることも作風に大きく影響していると思います。

現在使用している素材で作品を作る理由を教えてください。

多くの表情や変化を持ち、時には予想もしない様を見せるガラスは、まるで生き物のようで興味が尽きません。ガラスならではの透明度の幅も広く、豊かな色彩も魅力の一つです。 特に、パート・ド・ヴェール特有の柔らかな光を内包した砂糖菓子のような温もりのある風合い、そして水彩のような色合いが好きで技法として用いています。 非常に手間のかかる素材ではありますが、続けられる限りはガラスで制作していきたいと思っています。

普段、何からインスピレーションを受けていますか?

何かしら興味を持ったあらゆるものから受けています。 主に海や自然からインスピレーションを得ています。 モチーフの選択については、図鑑や画像、海と水族館、様々な自然と景色、思い出や記録から思い浮かぶことが多いです。 他にはお菓子や食べ物、音楽、映像、イラスト、絵画、花束、さまざまな製品やゲームなどに影響されています。

影響を受けたアーティストや、作品はありますか?

主には、海や自然物です。 他には、ジブリ映画の「風の谷のナウシカ」「千と千尋の神隠し」、ゲームのMOTHERシリーズ、ガラス作家の水吉郁子さん、パウル・クレー東山魁夷石崎光瑤、制作時に聴く音楽などに影響を受けています。

これからどんな作品をつくりたいですか?

見た人の気持ちが少しでも浮かび上がるようなもの、その人の日常の内にそっと寄り添っていられるようなものを目標に、作品制作を続けていきたいと思います。 また、より生き生きとした表情の生き物モチーフや、色彩豊かなガラスを制作していきたいと考えています。使う色彩や、生き物モチーフの幅も広げていきたいと思います。

ご出展いただく作品のコンセプトを教えていただけますか?

めんだこケーキ

小さなメンダコ達と珊瑚が彩るガラスのショートケーキです。 クリスマスケーキと海を合わせた制作がしたいと思い調べるうちに、ショートケーキに飾られた赤いイチゴがメンダコに見えてきました。そこで、実際に作ったら面白いのではと思い制作しました。 メンダコのサイズは今まで制作した中で最小サイズの約1.5cmです。

氷とさんご

氷山や氷と珊瑚礁を合わせたガラスのオブジェです。展示テーマである冬に合わせて、ひんやりとした冷たさも感じられるようなさんご礁シリーズとして制作しました。氷山や氷の表現は、他作品も含めて今回の出展が初制作となります。 氷山部分は、海中に沈む青色と海面に現れる白色で彩色しました。

温泉カピバラ

雪景色の温泉に入るカピバラのオブジェです。 ほかほかとするような温かさを感じるものを制作したいと思い、温泉に入るカピバラをモチーフに制作しました。 カピバラは今回が初制作です。 当初は温泉とカピバラだけでしたが、温かさよりも雪の冷たさが多いように思えた事と、物足りなく思い蜜柑と小さな雪だるま達を添えました。

お客様、ご来場予定の皆様に向けてメッセージをお願いいたします!

冬をテーマに制作した作品を中心に出展いたします。 展示名の「冬うらら」は、冬の厳しい寒さの中でもどこかほっとできる温かさも感じられる、穏やかな冬の日を思い浮かべられるような展示にしたいと思いつけました 冬の寒さがありながらも、ほんわりと温かく思えるような風合いを持つガラスの生き物達をお楽しみください。

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奥村朝美さん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。
皆さまはどのエピソードが心に残りましたか?

ピカレスクスタッフは、パート・ド・ヴェールならではの「柔らかな光を内包した砂糖菓子のような温もりのある風合い」「水彩のような色合い」を用いて、奥村さんが絵を描くように自由な表現をされているのが印象的でした。

その表現の領域は「ほかほかとするような温かさ」を感じさせる温泉カピバラから、「氷とさんご」を初めとする、心地よいひんやりとした質感を持つ作品へと多岐に渡ります。

奥村さんがパート・ド・ヴェール技法を施されたガラス素材を俯瞰的に見つめ、ご自身の中にある根源的な感覚と結びつけて生まれた作品の数々は、私達に今まで気づかなかった冬の魅力、忘れていた風景を届けてくれるようです。

奥村朝美さんの展示作品実物を一堂に鑑賞できる貴重な機会です。皆さまのお越しを、お待ちしております。

奥村朝美 個展「冬うらら」

〈会期〉2024年11月27日(水) – 12月8日(日)
〈詳細〉https://picaresquejpn.com/okumura_asami_2024/
〈奥村朝美 公式SNS〉
X(旧Twitter) https://twitter.com/okumura_sea
Instagram https://www.instagram.com/okumura_asami

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【基本営業日時】
*営業 水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休 毎週月火
*会場 Picaresque Gallery
*住所 東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話 070-5273-9561

■開催中&過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/
■開催&開催予定の展示一覧
https://picaresquejpn.com/exhibition-calendar/


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奥村朝美さんの過去のインタビュー記事をお読みになりたい方は、ぜひリンク先よりご高覧ください。

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