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協賛レース実施レポ@笠松けいば

9月1日。今日はこはくちゃんの誕生日。

折角だしなんかでっかく誕生日を祝いたい。なんかでかいモニターとかに世界こはくの名前を映したい。Vあっとのことを知らない人間達を巻き込みたい。

そんな欲望をまるっと叶えてくれる存在が競馬の協賛レースである。なんかみんな盛り上がってたし、面白い経験だったのでレポとして残しておこうと思う。


協賛レースの申し込み

協賛レースを開くには、当たり前だが申し込みが必要となる。今回私が協賛させて頂いたのは、笠松けいばさん。私は出身が岐阜であり、馴染みがあった事と、こはくちゃんの誕生日当日にレースが開催されていたのでこの競馬場を選んだ。競馬場では毎日レースが開催されているわけではないので、申し込みたい日にレースの開催があるかどうかを確認する必要がある。

冠レース応募にあたって必要なもの

競馬場ごとに変わるかもしれないが、申込書と名称使用許可書を郵送すれば誰でも応募が可能である。こはくちゃんはバーチャルあっとに所属する存在なので、名前を出すにあたって会社の許可が必要なため、事前に大妖精さんに許可書を記入いただき応募した。

郵送物が競馬場運営に届くと、受付完了のメールが届き、請求書が郵送されてくる。請求書に従い、協賛費を振り込めば応募完了である。

レース日程の確定

レース開催日の1週間前程に、電話でレースの時間帯が通知される。今回私の協賛レースは2レース目だった。集合場所を伝えられ、質問事項が無ければそのまま当日を迎えられる。あとは競馬場に赴くだけだ。

レース当日

無知故、もたつく

名鉄笠松駅で下車し、歩く事5分程。笠松競馬場のゲートが見えてきた。手前には『専門誌販売』の文字。折角なので記念のために買っておこうと販売所まで向かう。

ワイ「……。(なんか2冊置いてあるけど何が違うんだ?)」

初めての競馬場ゆえ、売店前で固まる初心者ワイ。おばちゃんからの助け舟。

おばちゃん「それぞれ予想情報が違うのよ」

とりあえず自分用とこはくちゃんに送る用に2冊ずつ欲しいな……。

わい「あの、2冊ずつください!」

おばちゃん「はい?全部一緒なのよ、お姉ちゃん」

わい「あ、いや、でも……」

モゴモゴしながらふと後ろを振り返ると、こちらを睨みつけるおじさん達。明らかに迷惑そうである。もたついてごめん。レース開始の時間も近く、これ以上もたついているわけにもいかないので1冊ずつ購入。各600円の計1200円だった。

中身の読み方が分からないけど記念に買った

いざ入場

専門誌を片手に入場ゲートまで歩みを進める。入場料として通常は100円かかるが、協賛レースを開くと無料で入ることが可能だ。2,3名くらいまでは一緒に入れるはずなので、友人と来るのもアリだろう。入り口の女性に協賛レース開催者であることを伝え、案内窓口まで向かうと、ユーホール入場券を渡される。ちなみにこの時点では、ユーホールが何なのか分かっていない。取り敢えずお礼を言い受け取る。

階段を上り、ずんずん進んでいくと、『ユーホール入口』の文字が。有料の屋内観戦部屋のことだった。こちらも通常500円かかるが、協賛レース開催者は無料で利用が可能だ。中は空調が効いており快適である。暑い日や寒い日はこの中で観ている方が個人的には良いなと思った。

ぐるりと見渡すと目の前には馬達の名前が映し出されているモニター、奥のテーブルに投票券と発券機があった。地方競馬はマークシートで記入して投票する事を予習済みだったので、取り敢えずテーブルに向かう。

なんか2種類ある……。何が違うんだ……。

ここで再び混乱し、落ち着くために前方の椅子に座って前のレースの様子を見ることにした。目の前に広がるダートを馬達が優雅に走り去っていく。馬達が固まって走っている様を間近で見るのは、なかなか迫力がある。地面を蹴る音と地鳴りの振動がガラス越しにも伝わってくるのが印象的だった。

モニターを見て1人でテンションが上がっていた

いざ、馬券購入

一息つけたので、再びテーブルに向かう。よく見るとシートの記入方法が書いてあった。見たことがない種類は、組み合わせ用の投票用紙だった。どうやらこれで複数馬の組み合わせ予想の投票をするようだ。記入方法に沿って、こはくちゃんに頼まれていた組み合わせで投票券を作る。自分用にも、こはくちゃんの誕生日の馬連(9-1)と、名前を文字った『5-8-9』の三連複を買ってみた。私の好きな数字が8なので、当たることを願い8番の単勝も購入。買い方が分からず闇雲に投票券を作ったので、100円ずつ賭けて多分1500円くらい使った。

名前を数字で置き換えられるっていいね

発券機にお金を入れ、投票券を入れると、馬券が出てくる。馬券にも『世界こはく誕生日記念杯』の文字が。良い記念品になるので沢山買っておいて良かった。他の競馬好きの方の協賛レースレポでは、単勝で全馬の馬券を買っていた。単勝だと馬の名前と騎手名も馬券に載るので、こだわりがある方はこういう買い方をするのもアリだと思う。

レース開始直前

いよいよ馬達がパドックにやってくる。隊列を成してぐるぐると回っているのを見て、ウェッジウッドの「ハンティングシーン」をぼんやりと思い出していた。何も分からないのでパドックを歩く馬を見ても試し走りしている馬を見ても、感想は一つである。

この子達が今からこはくちゃんのために走るのか〜、すげえなあ……。

1万円で冠レース開催権獲得はリーズナブルすぎる。競馬場にいるおじさん達は、こはくちゃんのことをこれっぽっちも知らないだろうに、世界こはくの名が記された専門誌片手に、世界こはくの名が映し出されたモニターを睨み、真剣な顔をしているのが不思議な感じで非常に愉快である。全然自分のことではないのに、何だか承認欲求が満たされたような感覚である。

いよいよレース開始

馬券投票も締め切り、レース開始のアナウンスが流れる。私の記入した協賛メッセージが読み上げられ、場内の電光掲示板には世界こはく誕生日記念杯の文字。いよいよである。

メッセージ読み上げ後に、実況の方からお祝いの言葉が。

「折角のお誕生日なので、好きな食べ物であるお寿司とお肉を沢山食べて頂いて、是非素敵な一年にしてください」

え!?!?こはくちゃんのこと、わざわざ調べてくれたんですか!?

このフレーズは私は協賛メッセージには入れていない。先方のご厚意である。嬉しすぎる。あったけえ〜……!ありがとうございます。

あれよあれよという間に馬達はスタート位置につき、いざ出走。10頭が一気に走っているのはかなり迫力がある。抜いたり抜かれたりする様子は、結果をあまり気にしていなかった私でも手に汗を握るものだった。本気で賭けているおじさん達の緊張感たるや、測り知れないものだろう。

目の前を馬達が走り去るとき、8番が先頭を走っているのが見えた。私が当てようと思って賭けた馬だ。

いけ!いけ!がんばれ!

めっちゃ心の中で叫んだ。先ほどの腑抜けた気分とは打って変わり、一気に手に力が入る。そのまま8番が1位でゴールイン。初競馬、単勝100円だが的中した。一気にテンションが上がる。これはちゃんと予想して高い払い戻しが出たら、もっと嬉しいのだろう。競馬にハマる人達の気持ちが分かった。

賭け事に勝つ快感を知ってしまった瞬間
「5-8-9」の三連複も惜しかったな……

レース終了後

単勝を当てて喜んでいるのも束の間、電話がかかってきて、記念撮影の案内がきた。協賛レースを開くとオプションで優勝騎手と記念撮影(無料オプション)ができるのだ。撮らない選択肢はないので、外に出る。

鍵のかかっている柵の向こうを案内されてくてく歩いていくと、優勝した渡邉騎手が来てくださった。お祝いの言葉を伝えていざ記念撮影。担当のお姉さん、ものすごい勢いで連写を始める。荷物を置き慌てて笑顔を作る私。片手に持つくまのぬいぐるみ(こはくまちゃん)を横目にして、困惑した表情を一瞬浮かべる渡邉騎手。カオスな空気感の中、記念撮影は終了した。

お姉さん「爽やかなブルーのワンピースと騎手の服も青でぴったりですね〜!素敵〜!」

わい「アハーありがとうございます〜!実は今日初めて競馬観にきて、すごく面白かったです!」

お姉さん「競馬初めてで協賛レース開かれたんですか!?」

協賛レースを開く方は競馬好きの方が多いようで(よく考えたら当たり前)、初競馬の私を目の前に、お姉さんの目はこぼれ落ちそうなほど見開いていた。

初めて来た私でももたつきながらも楽しめたのは、競馬場の係員の皆さんが丁寧に対応してくださったおかげである。ありがとうございます。

色的に統一感がある感じになった記念写真

協賛レース全行程終了

記念撮影も終了し、係員の方にもお礼を伝えたので、これで協賛レースのプログラムは全て終了である。

折角来たので競馬場内を見学したり、他のレースも観てみたりすることにした。

白熱するおじさん達

競馬場にきている人の9割は男性だった。年齢的には60代以上が6割で、それ以外が4割といった感じだ。雰囲気自体が独特なので、確かに女性が好む空気感ではない。そして何より、めちゃくちゃ暑い。絶え間なく身体から汗が吹き出る。この炎天下の中馬を見ているおじさん達の本気度が伺える。

おじさん達の持ち物は専門誌だけで、パッと見は赤の縦長の専門誌が人気のようだった。おそらく財布はポケットの中だろう。レースが始まると独り言が大炸裂。

「よしよしいいぞォ!」
「よっしゃ!イケ!イケ!」

と盛り上がる声もあれば、

「バーカヤロゥメイチバンナニヤットンダ」
「買うんじゃなかった……」

と落胆の声も上がる。濁った瞳の中に力強い何かを感じる目を持つおじさんばかりなのが印象的だった。独特な趣味の世界だ。

レースが終わると、おじさん達は馬券を買いに戻るか、お仲間と予想の話をしていた。中には払い戻し機にひたすら馬券を突っ込み、その度に

「こちらの投票券は的中しておりません」

と機械にひたすら言われ馬券を吐き出されているおじさんもいた。おじさん、現実を信じたくなかったのかな。それとも見落とし防止だろうか。

場内見学


レース後の様子も一通り見学し終えたので、競馬場内をうろつくことに。出店が出ており、どて煮や串カツと一緒にビール等のお酒も売られていた。ここで買って愉しむのも乙かと思ったが、何にせよ熱がこもって暑すぎたので、見学までに留めておいた。

出口付近にはオグリキャップの銅像と尻尾の毛が飾られていた。笠松競馬場のヒーローといえば、オグリキャップである。若い男性達が銅像の奥にあるイラスト絵馬の写真を撮っていたので、おそらく彼らはウマ娘のファンなのだろう。

オグリキャップは競馬に疎い私でも知っている。幼い頃、ニュースで頻繁に名前を耳にした。盛り上がる実況の中、白い馬が走っている映像を何度も目にしたことを今でも覚えている。逆に言えば、オグリキャップしか競走馬のことは知らなかった。幼い頃から知っている競馬場で協賛レースを開けたことを嬉しく思う。

イオンへ家族で行く時に、毎回笠松競馬場の横を通っていた。田舎故買い物をする場所はそこしか無かったのだ。

ぐるっと一周し終え、換金も済ませ、競馬場から出た。改めて、こはくちゃん誕生日おめでとう🎂

リベンジ

さて、ゲートから出た私には向かわなければならない場所がある。

そう、専門誌販売所である。

売店の中をゴソゴソと片付けているおばちゃんに声をかけ、1冊ずつ購入したい旨を伝える。

わい「1冊ずつください!」

おばちゃん「はい、1200円ね……あれ、あなた、もう持ってるのに買うの?」

わい「記念に買っておきたくて……!」

おばちゃん「ああ、そういうことなのね。はい、じゃあどうぞ」

最初からこう言えば良かった────。


【終】

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