警部、お願いします!(7)〜毎週ショートショートnote〜
警部、お願いします!【scene7】
(本文410文字)
「警部、お願いします!」
「なんだなんだ、こんな所で銃殺か?」
「まだ調査中ですが、おそらく刺殺です」
「しかし、この匂いはなんだ?」
「まだ調査中ですが、酢の匂いかと」
「それは分かっている。知りたいのは理由だ」
「まだ調査中ですが、ガイシャはこの店でカレー屋を経営しており、客と揉めていたそうです。こちらに、らっきょうと福神漬けのストックがあり、派手に争った形跡から……」
「火薬の臭い消しということか」
「まだ調査中ですが、刺殺が濃厚ですので、火薬は使われていないかと」
「いや、これはきっと銃殺だ」
「まだ調査中ですが……仮に、この距離で銃を撃つと、何処かに弾痕が残るはずです」
「そうだな、その見解は正しい。天井、壁、床を隈なく調べろ」
「分かりました。それで、凶器のナイフですが……」
「銃殺だ! ナイフなんてない」
「血が付いています」
「肉でも切ってたんだろ?」
「警部! 壁に少量のらっきょうが挟まっています」
「きっと、それは薬莢だ」
(了)
#毎週ショートショートnote 裏お題でも参加させていただきます。
【裏お題】:壁に少々らっきょう
お題に沿って書きましたこの作品は、忘れられた過去の連載モノの新作でもあります。
【scene1〜6】は、下記リンクにまとめてあります。
順番は関係ありませんので、よろしければ読んでみてくださいね!
ただし、アホになっても責任は負えません🙇♀️🙇♀️