【カエルの楽園】百田尚樹
※インスタに投稿した記事より、一部加筆修正してお届けいたします。
読了したのは、数年前になります。
舞台となる架空の国「ナパージュ」がJAPANの逆読みで、言うまでもなく、当時の(今も大差ないですが)日本を取り巻く環境を皮肉った話です。
風刺モノとして、思想や哲学の押し付けになってしまう危険性を孕む作品でしょうが……肯定も否定もともかく、作中に出てくる「争わなければ争いはない」という言葉のアイロニックな重みは、なかなか印象に残りました。悪い意味で、です。
残念ながら、もし風刺と気付かずに、教訓めいた説教臭いメルヘンとして読んだとすると……カエル達の冒険はそれなりにハラハラドキドキがあり楽しいかもしれませんが、全体的にはとんでもなくつまらない物語なんですよね。
でも、それを風刺や皮肉、暗喩なども結び付けて読んだ時、楽しめる人もいるでしょうね。
つまり、私の中では、共感か反発かはともかく、「風刺ありき」でしか成立しない本です。
とは言え、終始読みやすい文体で、カエル達の言動にイライラしたり共感したり、それなりにドラマチックな展開に目が離せなくなり、そういった「読ませる物語」として仕上がっているのは、さすが百田先生、すごいと思いました。
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