リストラ(音楽業界のお話)
コロナのこの1年の間に
たくさんの夢を持った若者たちが
レコード会社からリストラされています。
「メジャー」を夢見てオーディションを勝ち抜いて
ちやほやされて高いところにのぼったアーティスたちは
ズドーンと突き落とされるような感覚だと思います。
私はそれを2度経験しました。
それによって事務所を含む
私達を支えてくれた多くの人たちが
職を失ってしまいました。
アーティストというものは一人で成り立っているわけではないんです。
手となり足となり目となり口となり頭脳となってくれる人たちが
何十人もいるわけで
一人のアーティストがリストラされるわけではないんですね。
レコード会社も「会社組織」だから
会社 対 アーティスト なわけで
普通は契約が終わったらその関係も終わるけれど
私は幸い、当時かかわってくれていた人たちとは
四半世紀〜30年経った今でも
仲良くさせていただいています。
私が一度目に契約がなくなってしまったときは
子供がまだこれから幼稚園ってときで
二度目のときはこれから小学校ってときで
正直、人生真っ暗闇になってしまいました。
それまでいただいていたお給料がストップしてしまうのです。
それはそれは焦りました。
実家は当時多くの負債を抱えていて
弟と私とで家計を支えていました。
私のお給料がストップする前の月から
大阪の音楽が必要と思われる会社に
市内の電話ボックスの電話帳を開いて
片っ端から電話してアポとって
何か仕事がないかと話をしに行きました。
ある番組制作会社の人に
「メジャーじゃないならプロじゃないでしょ」という言葉ももらい
そのとき初めて「現実を知り」ました。
「大きな看板」の元にいた私はその看板を下ろした途端に
看板のない人になってしまったのです。
本当に辛かったです。あの笑顔はなんだったんだー?と
人間不信というよりは人間恐怖になりました。
そうやって離れて行く人、
今でも仲良くしてくれる人、
そこで人というものを知りました。
私はそれから誰でも彼でも
「お願いします」ということを言わなくなりました。
「お気に召していただけたならばどうぞ使ってやってください」
というスタイルに変えていきました。
当時は我武者羅にやってきたので
記憶から消えていてあまり憶えてないのですが
悔しい出来事の方が多かったように思います。
ようやくネットも普及してきた頃
私はMP3.comというところで英語もわかんないのに
海外配信をはじめました。
そしてソロの作品が
マドンナやシンディー・ローパーや
B'zの皆さんと並んで世界中のアーティストの中で
アジアランキング9位までいきました。
これは私にとって大変な自信につながりました。
そしてそれをみた日本のCM会社の方から連絡があり
そこからCMの仕事をするようになり仕事もひろがっていきました。
MP3.comで一か八かやってみたことは
私の突破口となりました。
その後、同じような経験をしたごろーさんと出会い
20年一緒に「ごろっぴあ」を立ち上げ仕事をしてきました。
できるかも と思うことはすぐにやってみました。
今は本当に好きな人たちと好きなようにやってます。
何よりもたくさんの慕ってくれる
息子や娘のようなみんなと出会ったことは
私たちの誇りです。
結果、インディペンデントでやってきたことは
力になりました。
これからは、そんなみんなを巣立たせて
それぞれの道をそれぞれの世界でやっていけるように
最後の仕上げとなりますかな。笑
出会ってくれた皆さんに感謝です。
ありがとうございます。
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UndoさんとMU田さんには感謝しかありません。
今では年もそんなに離れていないと思うけれど
当時は父のような気持ちでした。
このお二人がいなかったら今の私はありえません。
ありがとうございます。
これからもどうぞよろしく!
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