子供がフランスの某コンセルヴァトワールで楽器を始めた(思い出、経験話)
私が住む町の地方コンセルヴァトワールの場合、小学校2年から5年までの生徒が本コースの初心者クラスに登録することができます。うちの子も小学校2年から本コースに登録しました。授業のシステムは数年毎に変化していてうちの子が経験したものと既に違うものになっていますが、あくまでも経験したものをご紹介いたします。
ルルは第一課程1年目、9月の新学期からしばらくの間はフォルマシオンミュジカルの授業で楽譜の読み方などを学びつつ、コーラスのクラスが30分ありました。11月に楽器見学の日があり、そこでいくつか選んだ楽器の中からレッスンを受ける楽器が決まるか、レッスン枠に空きがないなどの理由で「いろいろな楽器のお試しクラス」に回されるか、のいずれかでした。この時に試したチェロに惹かれてチェロとチェンバロに希望を出して、第一希望のチェロが通り、1月からレッスンを受け始めました。
ピアノ弾きの母親としては「ピアノなど鍵盤楽器はやって欲しくない」というのが正直なところでした。自分の専門に近い楽器だと「ほら、そこ違う!」とスパルタになるのが目に見えていたので。ですからチェンバロの希望を出すというのはある種掛けではありましたがチェロに決まってホッと胸を撫で下ろしました。
フォルマシオンミュジカルは、2年目の時に他のクラスの子と一緒にミュージカルを外部上演するという企画をするクラスに偶然入るなど、単なるソルフェージュではなくいい音楽経験を積んでいるなと思いました。
シュシュは第一課程1年目、9月の新学期からフォルマシオンミュジカル、コーラス(45分)、楽器経験のクラス(10種類程度の楽器をそれぞれ1回30分、数人のグループでやるので見せてもらう程度だったと思います)がありました。ルルの時と同様に11月に楽器見学の日があり、そこで希望をいくつか出しましたがその年度は「2年生の初心者は楽器を始めない」となってしまいました。従って6月の年度終了までフォルマシオンミュジカル、コーラス、楽器経験のクラス(1月以降は希望を出した楽器に応じて3回か4回のグループレッスンというかもう少しお試しの要素がはっきりした形でした)で続けました。翌年からシステムが変わり、1年目の9月の新学期前に楽器の希望を出して割り振られれば楽器のレッスンが始められるようになり、シュシュは非常に悔しそうでした。同時に2年目もコーラスが必修になり、そのコーラスのクラスで大きなコンサートホールでプロのオーケストラとの公演(特別行事で無料のコンサートでした)に出演する予定でしたが、2020年6月という社会情勢的に不可能な時期で結局中止になり、残念な思いをしました。
シュシュは2年目への継続登録をした時に希望楽器を出しました。前年11月は「ヴァイオリン、チェロ、オーボエ」で出し、1年目終了直前の5月は「ヴァイオリン、チェロ」で出し、ヴァイオリンを始めることになりました。
シュシュは「チェロがいい」と言い張ったのですが、2歳差チェリスト2人が同じ家にいるのは色々と問題がある(物理的にまず場所を取る、そして上の子が下の子の学習に口出しをしてしまう環境になってしまう)と思い「第二希望に入れて、それで決まってしまったら親として覚悟するから」と、第二希望に納めてもらいました(笑)。
ルルもシュシュも自分の始めた楽器に満足しています。シュシュは「先生が厳しい」と若干臍を曲げることがありますが(シュシュの先生は譜読みなどを丁寧に一緒にしてくれないので、音楽を知らない親だとキツいだろうなと思う)、ルルは先生とも仲良く、2人ともまあまあ順調に上達しています(日本のスパルタレッスンから考えると緩いですけれど)。
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