vol.8指導力を上げるなら時間を味方にする【伝説のピアノ指導者の教え】
ピアノ教育とは、時間がかかるものだ。
これはすべての大前提として胸にしまうべきだね。
何でも早く、即席で、時短で…
そんな指導者がいたら、ピアノを教えないほうがいいと忠告するだろう。
教育とは、時間がかかるからこそ価値があるのだ。
ピアノ教育とは、遠回りなんだよ。
遠回りでしか、ゴールにたどり着けないんだね。
てっとり早く指導をしても、残るものはない。
それは教育とは言わないんだね。
ピアノ教育という、遠回りな道のりの途中で、
生徒にどんな景色を見せるか、どんな体験をさせられるか。
それがピアノ指導者としての仕事だ。
指導者としても、時間を味方につけた者だけが成長できる。
このことは決して忘れてはならない。
ピアノ指導も最低10年だ。
3年かけて指導の基礎を学び、5年で経験を積み、
10年経って、ようやく生徒に何をすればいいか分かってくる。
これは、書道や茶道の「道」の考え方に通じる。
道の入り口に立つには、最低10年はかかるものだよ。
すぐに結果が出ないからといって、素質がないとあきらめる。
違うんだよ。
むしろ、時間をかけることでしか得られないものがあるんだよ。
音楽がまさにそうじゃないかね?
時間をかけた者だけが近づくことができる。成熟できる。
ピアノ指導者としての「自分」に時間をかけるんだ。
何年もかけて学び、何年もかけて悩む。
そこからしか「使命」は見えてこない。
そこからしか「本気」は出てこない。
時間をかけて歩んできて振り返ったときに、
必ず、あなたが生きてきた道ができている。
ピアノのレッスンとは、指導者の人生そのものだよ。
あなたが生きてきた道が、あなたのレッスンなんだよ。
(この物語、登場人物は架空のフィクションです)
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