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vol.42 生徒の心に自分を溶け込ませる【伝説のピアノ指導者の教え】
「伝説のピアノ指導者」と呼ばれた人物が、弟子を呼び出し「あること」を依頼する。それは、表舞台では語ってこなかった「ピアノ指導で大切なこと」を世の中の指導者に伝えること。テーブルに置かれたボイスレコーダーに向かって「伝説のピアノ指導者」は語り続ける。それが自分の最後の仕事とでも言うように。青白く燃える炎のように、静かに、熱量を持って…
忙しいことはいいこと、繁盛の証。
何かと忙しいことに価値を置く指導者も多いが、
果たしてそうだろうか?
「忙しい」という字は、
「心」を「亡くす」と書く。
まさに、心ここにあらずという状態だね。
それで、生徒の心の細かな動きが見えるだろうか?
子どもたちの感情の揺れを察知できるだろうか?
生徒の隠れた心の叫びを感じられるだろうか?
ピアノ指導者こそ、心が澄んだ状態にしておかねばならない。
それが、微細なこと、微差に気づける余地、余裕だ。
忙しさで心が埋まってしまっては、
本当に大事なことが見えなくなってしまう。
生徒への愛とは、生徒を見つめること、思いやる気持ちのことだ。
あたたかく見つめるまなざし、
すべてを許容して包み込む懐の広さだ。
生徒への愛なくして、
どうやって心から褒められるだろう?
どうやって心から叱ることができるだろう?
どうやって彼らを突き動かすことができるだろう?
どうやって、一緒に涙を流すことができるだろう?
我々に必要なのは、忙しさではなく、澄んだ心だ。
生徒の心に、自分を溶け込ませることのできる、澄んだ心だ。
純粋な子どもたちの瞳に触れるたびに、
私は、いつも、そう思うんだね。
(この物語はフィクションです)
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