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vol.23 生徒は教える存在ではない【伝説のピアノ指導者の教え】

「伝説のピアノ指導者」と呼ばれた人物が、弟子を呼び出し「あること」を依頼する。それは、表舞台では語ってこなかった「ピアノ指導で大切なこと」を世の中の指導者に伝えること。テーブルに置かれたボイスレコーダーに向かって「伝説のピアノ指導者」は語り続ける。それが自分の最後の仕事とでも言うように。青白く燃える炎のように、静かに、熱量を持って…

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どんな物事からも、学ぶことが必ずある。


これは、ピアノ指導者として大切なマインドだね。



このことを心から理解したとき、

人として、指導者としての成長がのぞめる。



もちろん、どんな生徒からも学ぶことが必ずある。



なぜなら、ピアノのレッスンとは、

生徒と向き合っているようで、本当は自分と向き合うことだからだ。



そして、これだけは覚えておいてほしい。


生徒とは教える存在ではなく、教えてくれる存在なのだと。



たとえば、指導がたいへんな子どもがいるとしようか。


何を教えても、うまくいかない。

頭を抱えることもあるだろう。

自分には教えられないと、あきらめたくなるかもしれない。


だがね、そういうときこそ、こう考えるんだ。



生徒とは教える存在ではなく、教えてくれる存在なのだと。



生徒は、今の自分に足りないことを教えてくれている。



生徒は、私が今なにを学ぶべきかを教えてくれている。



生徒は、問題ではなく、解決策を教えてくれている。



生徒は、あきらめないことの大切さを教えてくれている。



生徒は、指導者としてどうあるべきかを教えてくれている。




そういう思考こそが、学びの原動力であり、

解決に導くためのモチベーションであり、


指導者として、一歩進むための貴重な機会となっていく。



匙を投げて何もしなかったら、あなたの将来に成長はない。



今、何もしなければ、明日のあなたは何も変わらない。


今、自分と向き合わなければ、勝つこともなければ引き分けもない。



常に、勝負は「今の自分」の力でするしかないんだよ。




その積み重ねを続けて、5年、10年経ったときに、

きっと気づくはずだ。


自分の周りには、たいへんな生徒など一人もいないと。



それこそが、ピアノ指導者としての成長の証だと思うよ。




(この物語に登場するのは架空の人物です)



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藤拓弘(とう たくひろ)ピアノ講師ラボ主宰
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