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vol.17ピアノ指導の「対価」とは何か?【伝説のピアノ指導者の教え】
「伝説のピアノ指導者」と呼ばれた人物が、弟子を呼び出し「あること」を依頼する。それは、表舞台では語ってこなかった「ピアノ指導で大切なこと」を世の中の指導者に伝えること。テーブルに置かれたボイスレコーダーに向かって「伝説のピアノ指導者」は語り続ける。それが自分の最後の仕事とでも言うように。青白く燃える炎のように、静かに、熱量を持って…
今日はそうだな…レッスンの「対価」について考えようか。
ピアノを教えて得られる対価は何だろう?
多くの人は「お金」と答えるだろうね。
たしかに、そうかもしれない。
我々は、ピアノを教え、お金をいただいている。
教えるプロであれば、当然と言えるだろうね。
お金は、指導や教室の質を保つのはもちろん、
モチベーションの維持や、生活していくのにも必要だ。
だがね、お金は単なる「結果」でしかない。
ピアノ教育を通して、幸せで豊かな人生を送るための知恵と経験を、
誠心誠意、心を込めて提供して、結果的に形となったものがお金だ。
多くのピアノ指導者が、お金よりも大切なものがあると感じているのは、
そこに「生徒の幸せのため」という大きな目的があるからだ。
そのたった一つの目的のために、私たちは存在する。
提供したレッスンによって、感謝され、喜びの声をもらい、
子どもたちの笑顔に触れ、感動する。
そういう時間や経験こそが、我々にとっての対価だ。
いわば、ピアノを教えて生きているという実感だよ。
我々が指導力を上げるために日々努力するのは、
生徒のためでもあり、私たち自身の幸せのためでもあるんだね。
お金は結果的に得られるものであり、目的ではないんだね。
社会で「利益」と言われているものは、
誰かの人生に、どれだけの豊かさを与えられたかを計るものさしなんだよ。
ピアノ指導者であれば、どれだけ生徒の人生に豊かさを与えられたか。
喜び、感動、知識、経験、生き方の指針…
生徒の利益を第一にしなければ、我々は本当の利益を受け取れない。
そして、ただただ、教えることが自分にとって最大の幸せであること。
ここにピアノ指導という仕事の尊さがあり、価値がある。
本当の指導者とは、生徒の幸せにこそ、
自分の幸せがあると知っている人なんだね。
(この物語はフィクションです)
★業界初の「物語形式」で学ぶピアノ指導者としての生き方↓
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