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vol.4ピアノ指導者の「成功」とは?【伝説のピアノ指導者の教え】
「伝説のピアノ指導者」と呼ばれた人物が、弟子を呼び出し「あること」を依頼する。それは、表舞台では語ってこなかった「ピアノ指導で大切なこと」を世の中の指導者に伝えること。テーブルに置かれたボイスレコーダーに向かって「伝説のピアノ指導者」は語り続ける。それが自分の最後の仕事とでも言うように。青白く燃える炎のように、静かに、熱量を持って…
あなたは、どんな表情で生徒を迎えているだろうか?
いつも幸せな気持ちで生徒を迎えられているだろうか?
伝えたいことがいっぱいで、待ちきれないだろうか?
これから始まるレッスン、生徒との時間にワクワクしているだろうか?
一人の生徒を心から喜ばせることは、簡単ではないね。
指導力もセンスも、ユーモアも、人間的な魅力も必要だ。
もちろん、学び続けることもね。
だが、生徒を幸せにしたい、豊かな気持ちになってもらいたい。
その偽りのない心が、生徒を迎え入れるときの表情として表れる。
それは、生徒の成長、未来のレッスンにつながっている。
ピアノ指導者としての成功とは何だろう?
「先生に習えてよかった」と言ってもらえることだ。
すべてが報われる瞬間だね。
あなたが施してきたこと、与えてきたことに間違いはなかった。
あなたは、あなたの手で生徒を幸せにしたのだ。
ピアノ指導者として、これほどの成功はあるだろうか。
生徒が教室を離れて、大人になっても、
ピアノを弾くたびに、あなたとの時間を思い出すだろう。
その時、あなたは時間と空間を超えて、彼らの心の中にいる。
そのピアノを聴いた家族、友人、恋人が、癒され、喜びを感じる。
あなたが教えたピアノが、人々を幸せにしていく。
あなたが蒔いた一粒の種が、花開いた瞬間だ。
その瞬間は、あなたには見えない。
だが、見えないからこそ尊い。
あなたの手を離れたところで紡ぎ出されている、
そのストーリーこそが、ピアノ指導者の幸せなのだ。
我々は、その瞬間のためにピアノを教えているのだよ。
その瞬間が来ることを願い、信じて、
今日、この一回のレッスンに全力を注ぐ。
ピアノ指導者にできることは、ただそれだけなんだね。
(この物語、登場人物は架空のフィクションです)
★待望の書籍化!「夢をかなえたピアノ講師」藤拓弘・著(音楽之友社 )
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