vol.25 指導者としての器の大きさを知る【伝説のピアノ指導者の教え】
…今日は、そうだな。
「器」について話そうか。
人には、それぞれ「器」というものがある。
ピアノ指導者も同じだね。それぞれ指導者としての「器」を持っている。
大事なのはね、自分の器の大きさを知ることだ。
そして、器以上のことは望まず、満ち足りていることに感謝をすることだ。
だがね、これが意外と難しい。
もっと生徒が欲しい、と欲が出てしまうこともあるだろう。
断り切れなくて受け入れてしまうこともあるだろう。
そして、自分の器以上に抱えてしまう。
だがね、自分の器以上のものを手にしても、うまくいかないんだよ。
器を超えると、途端に「全て」の生徒に目が行き届かなくなる。
今までできていた、細かな思考ができなくなる。
大切にすべきものに、心が届かなくなってしまう。
生徒の小さなサインにも気づかなくなってしまう。
自分の体調もくずしてしまいかねない。
器以上とは、いわば限界の状態だよ。
そんな状態でレッスンできるだろうか?
疲れ果てて、しっかり思考できないのに、
どうやって生徒の幸せのために教えることができるだろう?
何を手に入れ、何を持たないか。
それを大切にしてこそ、ピアノ指導者として幸せに生きられる。
人間一人にできることなど、たかが知れているんだよ。
あなたの体は一つしかない。
そして、あなたの「器」は限られている。
大切なのは、あなたの器を丁寧に整えていくこと。
どの指導者の器も、素晴らしい器だよ。
もちろん、あなたの器もね。
がんばって無理に埋めたりすることはないんだよ。
いつも美しく整え、磨いていくだけでいい。
それこそが、生徒の幸せのためにピアノを教える、
幸せなピアノ指導者の在り方だと思うよ。
(この物語はフィクションです)
★次回の「ピアノ講師ラボ」対談は佐藤卓史先生!画像をタップ↓
★業界初の「物語形式」で学ぶピアノ指導者としての生き方↓
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければモチベーションがググッと上がりますのでサポートをお願いいたします。ありがとうございます。