vol.5ピアノを教えるのが大好きな先生に生徒は集まる【伝説のピアノ指導者】
「好きなことを仕事にしよう」
最近、そういう言葉をよく見かけるね。
好きなことなら楽しんでできるし、集中力も違う。
アイデアもどんどん浮かんで、行動に結びつきやすい。
好きなことを仕事にすると上手くいくのは、そういうことだろう。
ピアノ指導は、好きでなければうまくいかない。
なぜなら、あなたが教えることが好きでなければ、
生徒がピアノを好きになるわけがないからだ。
だから、ピアノ指導は好きでなければうまくいかない。
子どもはね、ものすごく敏感だよ。よく察している。
「この先生は、本当にピアノが好きなんだな…」
指導者のピアノ愛を感じた子は、どんどんピアノが好きになっていく。
ピアノの世界にグイグイと引っ張られるからだね。
当たり前だがね、人はそれが大好きな人から習いたいものだよ。
ピアノが大好きな人、ピアノを教えるのが大好きな人に。
好きで好きで仕方ない、いくら語っても語りきれない。
それへの愛で体中が満たされている。
人は、そんな人に魅力を感じる。
生きることに喜びを感じている人に集まってくる。
滲み出てくるもの、溢れ出てくるものに、人は惹かれるんだよ。
たとえば、仕事だからと事務的にレッスンしている指導者と、
「こんなに面白いもの世の中にある!?」
といわんばかりに楽しそうにレッスンしている指導者。
どちらに魅力を感じるだろう?
言うまでもないね。
魅力のことをもう少し言うとね、
素敵な指導者は、自分を満たせているから素敵に見えるんだ。
いつも、目の前のものが、最高だと思いながら生きている。
一人でも、誰かと一緒でも、いつも目の前のことを楽しめている。
無いものに焦点を合わせず、すでに自分は満たされている、
すでにたくさん与えられていると感じている。
そして、目の前のことに喜びを持って向き合えている。
だから、満たされた気持ちで毎回のレッスンに向かえるんだね。
もし今、ピアノを教えることが好きでなくても大丈夫だ。
それはただ、まだ本気でぶつかってないからなんだね。
一度、本気でぶつかってみたらいい。
本気で努力して学んで、子どもに本気で向き合ってみたらいい。
すると、見えてくるものが必ずある。
この道で生きて行くと本気で決めたときに、
ようやくこの仕事が好きになっても、遅くないんだね。
いつだって、何度だってスタートできる。
なに、世界一のピアノ指導者になれ、というわけではないんだよ。
今日の自分が、昨日よりも少しでも輝いていれば、
今日の自分が、あなたの人生で一番のピアノ指導者であれば、
それでいいんだね。
(この物語、登場人物は架空のフィクションです)
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