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vol.31すべてが本気かどうかの試験【伝説のピアノ指導者の教え】

「伝説のピアノ指導者」と呼ばれた人物が、弟子を呼び出し「あること」を依頼する。それは、表舞台では語ってこなかった「ピアノ指導で大切なこと」を世の中の指導者に伝えること。テーブルに置かれたボイスレコーダーに向かって「伝説のピアノ指導者」は語り続ける。それが自分の最後の仕事とでも言うように。青白く燃える炎のように、静かに、熱量を持って…

初めての方は【伝説のピアノ指導者の教え】Introductionからお読みください!←



ピアノ指導をずっとやっていると、

心無い言葉をかけられることもあるかもしれない。


高い志を持ってピアノを教えているのに、

それで本当に食べていけるのか。



心からやりたいことを誰かに話しても、

それは無理だろう、あなたにできるはずがない。


燃えている火に水をかけるような、

そんな言葉をかける人も中にはいるかもしれない。


だがね、もしそれで諦めるようであれば、

あなたの気持ちはそれまでだ、ということだ。



それで気持ちが損なわれてしまうようであれば、

本気ではなかったということだ。




いいかい。



どんな偉い人間のアドバイスも、必ずしもプラスに働くとは限らない。



他人を過大評価するのはやめたほうがいい。



もっとやめたほうがいいのは、自分を過小評価することだ。



そうじゃないんだよ。


すべては、あなたが決めるんだ。



昨日より今日は、生徒の笑顔を一つ増やすことができた。


前回より今日は、生徒と気持ちが通じられた。


それでいいんだよ。それが成功なんだ。



あなたの、ピアノ指導への熱い思い、高い志は、

誰にも汚すことはできない。



人に言われて諦めたり、やめたりするようでは、

あなたの思いはそれまでだということだ。



試されているんだよ。

すべてがあなたが本気かどうかの試験なんだよ。



魂が揺さぶられるような、本当に成し遂げたいことなら、

誰かのつまらない言葉など、耳に入らない。



むしろ、声援にすら聞こえるものだよ。



飛行機も逆風があるからこそ空を飛べる。


逆風こそ味方につけて、志高く邁進していける人間。



そういうピアノ指導者に、人はついてくるものだよ。





(この物語はフィクションです)




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藤拓弘(とう たくひろ)ピアノ講師ラボ主宰
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