vol.28ピアノ指導に雑事は無い【伝説のピアノ指導者の教え】
ピアノ指導と演奏は、同じだと思う。
演奏に心を込めるように、レッスンにも心を込める。
どんな言葉、どんな表情、どんな仕草にも。
ピアノ指導に雑という言葉はあってはならない。
演奏に雑な音があると不快なのと同じで、
指導者が雑にしたことは、誰かの不快につながってしまう。
これは覚えておいてほしいのだが、
レッスンに関わるすべてのことは雑事ではない。
生徒を迎えることも、挨拶をすることも、
楽譜に何かを記すのも、何かを受け取り手渡すことも、
便りを書くのも、保護者と連絡を取るのも、
すべては雑事ではない。
もしあるとしたら、それは指導者の雑な心だけだ。
どんなことも、指導者として丁寧に、大切にすべき所作なんだね。
小さなことも、生徒は見ている。
彼らが大きくなって、記憶によく残っているのは、
たいてい、我々がした小さなことだよ。
だからこそ、どんな小さなことも、丁寧に、心を込める。
すべては今、今しかない。
今、この瞬間の、あなたの言葉、演奏、表情、まなざし…
すべてに「心」を込めようとしてごらん。
その「心」を、生徒は見ているんだね。
(この物語はフィクションです)
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