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vol.27一輪の花にこそ与えられることがある【伝説のピアノ指導者の教え】

「伝説のピアノ指導者」と呼ばれた人物が、弟子を呼び出し「あること」を依頼する。それは、表舞台では語ってこなかった「ピアノ指導で大切なこと」を世の中の指導者に伝えること。テーブルに置かれたボイスレコーダーに向かって「伝説のピアノ指導者」は語り続ける。それが自分の最後の仕事とでも言うように。青白く燃える炎のように、静かに、熱量を持って…

初めての方は【伝説のピアノ指導者の教え】Introductionからお読みください!←




ピアノ指導とは、生徒を幸せにすること。

最初にそう伝えたね。


このぶれない軸があれば、レッスンで何かあっても、

この思いに立ち返り、元の場所に戻れる。


ピアノ指導者としての「幸せ」が、そこに付随するからだ。



どんなに小さなピアノ教室にも、幸せと喜びが必ずある。


教え始めたばかりで、たとえ生徒がたった一人でも、

その一人の喜びのために、誠実に、心をつくす。


すると、街に一つひとつあかりが灯っていくように、

あなたのまわりが明るくなっていく。



それが、あなたの音楽で地域を灯していくということだ。


子どもたちに、幸せや喜び、希望を与えられることが、

我々ピアノ指導者としての存在価値だと思う。



だからこそ、

生徒が苦しいときには、最も身近な大人として支えになろう。


生徒が嬉しいときは、それを何倍にもしてあげよう。


生徒が泣いているときは、その涙の価値を教えてあげよう。




人間としての美しさをもって、音楽を、あなたの思いをつないでいく。



ピアノ指導者は、一輪の花のような小さな存在かもしれない。


だが、我々が子どもたちに渡しているものは、決して小さくないんだよ。





(この物語はフィクションです)



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藤拓弘(とう たくひろ)ピアノ講師ラボ主宰
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