ショパン晩年の名曲! マズルカ Op.67-2 故郷への想いが響くリズムと心に染みる美しいハーモニー
ショパンの「マズルカ Op.67-2」は、彼の晩年に完成された作品のひとつで、ポーランドの伝統舞曲「マズルカ」を基にした優雅で感動的な作品です。ショパンは50曲以上のマズルカを作曲しており、これらには彼の愛国心と深い個人的な感情が強く表れています。
音楽を学ぶ子どもたちにとっても、この曲はショパンの感情を感じ取りながら、ピアノの基礎技術を習得できる優れた教材です。技術的な進歩だけでなく、一生の財産となる音楽的基盤も築けるでしょう。
作曲当時のショパンの人生
1848年のショパンは、長年苦しんでいた結核が進行し、健康が深刻に悪化していた時期でした。また、当時のパリ音楽界からも徐々に距離を置くようになっていました。
それでも彼は、弟子への指導や作曲活動を続け、経済的な理由からコンサートツアーにも参加していました。特に注目すべきは、イギリスの貴族ジェーン・スターリングの招待を受け、この年の春から秋にかけてロンドンやスコットランドでコンサートを開いたことです。ロンドンでは、貴族のサロンや公共の場で演奏し、スコットランドではジェーンの家族のもとで静養しつつも演奏を続けました。しかし、体調が優れず、スコットランド滞在中も十分な休養を取れなかったとされています。
このツアーはショパンにとって最後のものとなり、翌1849年にパリへ戻った彼は、10月17日にこの世を去りました。
この人生の最晩年、ショパンは病に苦しみながらも音楽への情熱を捨てることなく、その感情を作品に込めました。「マズルカ Op. 67-2」も、彼の故郷ポーランドへの深い想いと、病の中でなお燃え続ける音楽への情熱がこもった一曲です。
この頃の時代背景
この時代、ヨーロッパは政治的にも社会的にも大きな変動期を迎えていました。1848年は、ヨーロッパ全土で革命運動が勃発した年です。ショパンの祖国ポーランドもこの時期、政治的混乱の渦中にありました。ポーランドはロシア、オーストリア、プロイセンに分割され、独立への希望はほぼ絶たれていたのです。
ショパンはフランスで活動していたものの、祖国ポーランドへの強い愛情を持ち続け、その感情を音楽を通じて表現していました。この「マズルカ」には、ショパンの内面的な葛藤や故郷への郷愁が深く織り込まれていると感じられます。
当時の日本の状況
一方、ショパンがこの曲を作った1848年頃の日本は江戸時代後期。まだ鎖国政策が続いており、世界との接触が限られていました。西洋音楽の影響はほとんどなく、日本国内では伝統的な邦楽が盛んでした。
しかし、ちょうどこの頃、日本でも変革の気配が見え始めており、1853年のペリー来航まで数年しかない時期にあたります。ショパンの音楽が日本に紹介されるのは、明治時代に入ってからです。
ショパンのエピソード
ショパンは自分の音楽に対して非常にこだわりがあり、特にマズルカは故郷ポーランドへの愛情を表す重要な作品でした。彼は友人たちに、自分のマズルカが単なるダンス曲ではなく、ポーランドの魂を表現するための音楽であると説明したそうです。
彼は一度も祖国に戻れず、ポーランドの伝統音楽に深い情熱を持ちながらも、常に外国で生活する寂しさと闘っていました。そのため、このマズルカには、まるで故郷の地に足を踏み入れたかのような安らぎが感じられます。
この曲で学べる具体的なピアノスキル
「マズルカ Op. 67-2」では、以下のピアノスキルを学ぶことができます。
ルバートとリズムの柔軟さ: マズルカ特有のリズムの揺れを感じながら演奏することで、音楽の感情を豊かに表現する練習になります。
レガート奏法: 滑らかな旋律線を奏でる技術が求められます。
繊細なタッチ:曲全体に漂う軽やかで優美な雰囲気を表現するために、鍵盤のタッチが重要です。柔らかく滑らかな音を奏でることで、より情感豊かな演奏が可能となります。
ダイナミクスの幅広い表現: 曲全体を通して微妙な音量の変化を捉えながら、音楽の流れをコントロールする力を養います。
マズルカ3つの踊り
ユーチューブにて3種類のマズルカの踊りを解説しています。
まとめ
ショパンの「マズルカ Op. 67-2」は、彼の人生やポーランドへの愛情が凝縮された美しい作品です。
この曲を学ぶことで、単に技術的なピアノスキルだけでなく、ショパンが抱いた感情や歴史的背景も同時に感じ取ることができるでしょう。この曲を通して、リズム感や表現力を磨くだけでなく、ショパンが大切にしていた故郷への愛情にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
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