糸車が奏でる音楽の物語:エルメンライヒ「つむぎ歌」と、糸車にインスパイアされた名曲たち
アルベルト・エルメンライヒが作曲した「紡ぎ歌(Spinning Song)」は、軽快でリズミカルなメロディが特徴のピアノ曲です。初心者でも演奏しやすく、子どもから大人まで幅広い層に親しまれています。
作曲者のエルメンライヒは、俳優や詩人としても活躍した多才な人物として知られています。この記事では、エルメンライヒの「つむぎ歌」の魅力に加え、他の作曲家による「つむぎ歌」も紹介しながら、その魅力を多角的に掘り下げていきます!
アルベルト・エルメンライヒとは?
アルベルト・エルメンライヒ(1816年~1905年)は、ドイツのシュヴェリーンという町で生まれ、俳優や詩人、作曲家として幅広い才能を発揮した人です。
彼は特に舞台俳優として活躍し、ドイツ中の劇場で知られていました。そのため、作曲家としての一面はあまり知られていませんが、ピアノを習う子どもたちにはピアノ曲「つむぎ歌(Spinnlied)」でよく知られています。
「つむぎ歌」の誕生背景
アルベルト・エルメンライヒが作曲した「音楽の風俗画 Op.14」は、19世紀ヨーロッパで流行した家庭音楽のためのピアノ小品集です。この時代、多くの家庭にピアノが普及し、初心者やアマチュアでも楽しめる小品が人気を集めていました。
「風俗画」というタイトルは、日常生活や身近な情景を音楽で表現することを意図しており、優雅で親しみやすい旋律とシンプルな形式が特徴です。エルメンライヒの代表作である「つむぎ歌(Spinnlied)」も、この作品集の中の一曲です。軽やかな右手のメロディは糸車の回転を思わせ、左手のリズミカルな動きと相まって、聴く人を楽しい気分にさせてくれます。
糸車ってなに?
19世紀ごろの社会において、糸車(いとぐるま)は人々の生活にとってとても大切な道具でした。当時、糸車は家庭や工房での織物作りに欠かせない道具であり、多くの家庭で女性たちが糸車を使って糸を紡いでいました。まだ工場で大量生産が一般的ではなかった時代、布作りは家庭内で行うのが普通で、糸車はその象徴ともいえる存在でした。
糸を紡ぐ作業は、地道で同じ動きを繰り返すものですが、作業中の静けさやリズムが特徴的でした。この一定のリズムや雰囲気が、音楽家たちにとって創作のヒントになったのです。音楽の中には、糸車の動きをイメージしたメロディや伴奏が取り入れられることもありました。
糸車にインスパイアされた名曲たち
ブルグミュラー「つむぎ歌」
ブルグミュラー『18の練習曲』第18曲もまた、糸車に触発された曲として知られ、さらに高度な技巧が求められる作品となっています。糸車のように軽快でかわいらしいメロディが印象的です。
メンデルスゾーン「紡ぎ歌」
メンデルスゾーン『無言歌集』op.67-4「紡ぎ歌」も糸車が回る規則正しい動きとその情緒を、ピアノの繊細な音色で描き出した名曲です。右手のパッセージが糸車の回転を想起させ、優雅さと技巧が融合した名曲です。
シューベルト「糸を紡ぐグレートヒェン」
ゲーテの戯曲『ファウスト』に登場するグレートヒェンが、糸車を紡ぎながらファウストへの恋心と苦悩を歌うリート(歌曲)です。ピアノの左手が糸車の絶え間ない回転を描き、右手のメロディと歌詞が彼女の心の葛藤を鮮やかに表現します。この曲は1814年、シューベルトがわずか17歳のときに作曲され、彼の早熟な才能を示す作品として知られています。
エルメンライヒ作曲「つむぎ歌」で学べるピアノスキル
この曲は、初心者がピアノの基礎を学ぶのに最適な曲です。旋律が親しみやすく、曲の構成が完結なので、初心者でも挑戦しやすく、演奏の達成感を得られます。
この曲を練習することで以下のスキルが得られます:
右手の指の独立性や瞬発力: 糸車のような連続したパターンを弾くことで、各指の動きを独立させ、素早い動きに対応する力を鍛えます。
リズム感の向上: 一定のリズムで左手の伴奏と右手の旋律(左右逆のパターンもあり)を合わせる練習になる。
音楽表現力の育成: 曲全体の流れや糸車のイメージを音で表現する力を鍛える。
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