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CD制作 その2「ピアノにご対面」

新潟に行く当日は、9時前にはホールに着いておきたいので、早朝に家を出ました。新幹線の浦佐駅を降りたら、そこには雪をいただいた立派な山々が。こんなところでピアノを弾いたら、スケールの大きな演奏が出来るかも♪などと夢が膨らみます。タクシーの運転手さんによると、この時期はプロのカメラマンがよく来るそうで、真っ白の雪山より山肌が見えている方が綺麗だからなのだとか。なるほど、いい時期に来ました!

小出郷文化会館に着くと、スタッフの方々が大ホールにピアノを設置して、お待ちくださっていました。皆さんとても親切。そして、いよいよピアノにご対面ですが、やはりフルコンは大きいですね。迫力があります。弾いてみた第一印象は・・・現代のものと全然違う!という感じ。一音一音が、とてもクリアーなのです。中低音も驚くほどクリアーなのですが、ベヒシュタインの混ざり合うような音の感じがないなぁ、もしかしたらその点は今のピアノの方が・・?と頭をよぎりました。でも高音は、はっとするほど美しい音色で、感動的。

せっかくなので、CDに入れたい曲などを何曲か弾いて録音していましたが、1時間もすると、楽器がどんどん鳴ってきて、最初に感じた違和感はなくなり、全体にとても豊かな響きに。ピアノが目を覚ましてきたのですね。1枠分(3時間)予約したのは正解でした。全体の豊かな響きの中で、一音一音はクリアーに響く・・・、これ、最高かも。「絶品」と言われる意味が分かりました!

なんでも、このピアノは昔ドイツで、ベルリンフィルの演奏会に使われていたそうです。そんな歴史のあるピアノが弾けて、嬉しい♫ 弾いていて思ったのが、普通のピアノだと音色を作るのに、たとえば高音部を響かせようとして、少しがんばって小指や薬指に力をかける必要を感じたりするのですが、こういう凄い楽器だと、余計なことはしなくても、ラクに美しく響いてくれるのですね。むしろ、感度がいいし、素の音が美しいので、いかに余分な力をかけずにピアノ本来の音を引き出せるか、というのが大事になる気がします。そういう意味で、奏法が変わってくるような。本来ピアノは、そうした奏法で弾くものなのでしょうね。このような楽器は、楽器自身が語りかけてくれるというか、教えてくれるというか・・・、すごいものです。

3時間というと、たっぷりあるように思いましたが、残り数十分になると、え~もうそんな時間?と寂しい気分に。とにかく頭に思い浮かぶ曲を次から次へと弾いていったのですが、極上のピアノを、1100席のホールの空間を独占して、何のプレッシャーもなく弾ける喜び、これこそ至福の時間ですね♪ たくさん時間があったのに、終わった時は、まだあの曲も弾きたかったな~などと心残りが。やっぱり、また弾きたくなるピアノ、でした。

せっかくなので、その日はiPhoneで動画を撮りました。音質も画質も素人感満載で(笑)、「絶品」の音はお伝え出来ないのですが、そちらはCDでお楽しみいただくとして、雰囲気だけでも・・・。

今年お世話になった皆様に感謝を込めて・・・♡


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