大澤美穂

クラシックのピアニスト。音楽への想いや、日常の中でふと想うことなどを気ままに綴っています。http://miho-osawa.com/

大澤美穂

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音楽のお好きな方と・・・!

昨年の2021年に、デビュー20周年記念のピアノリサイタルを開催しました。大阪出身の私が、途中育児期間でお休みしたものの、東京と関西でよく20年も演奏活動を続けてこられたなあと、しみじみ思います。日本のクラシック音楽界では、ソリストを目指すほとんどの人が国内外の音高・音大で学びながら国際コンクールに挑戦し、その中で特に有名な国際コンクールに上位入賞した人だけが大手音楽事務所に所属して、日本各地で活動する、というシステムのようになっています。それ以外では、特別なストーリーやタレ

    • SACD(スーパーオーディオCD)とアナログレコードでクラウドファンディングに初挑戦!

      この度は、私の3作目のCDと、初めてのアナログレコードを制作するにあたり、クラウドファンディングに挑戦することにしました! 実施期間は、2024年8月1日~31日! 今回は、フランスの作曲家ドビュッシーによる作品集ですが、「月の光」や「亜麻色の髪の乙女」などの名曲を、皆様にゆったりと心地よい気分でお楽しみいただければと思い、究極の美しい音を求めてピアノ、ホール、収録のすべてに拘りました。 詳細はこちらをご覧ください♪  https://camp-fire.jp/proj

      • フジコ・ヘミングさんの訃報に接して

        今朝は、「フジコ・ヘミングさん死去」のニュースを見ました。ちょうど昨日、知人に「私はフジコ・ヘミングさんみたいに、人の魂に響く音楽を奏でたい」と話したところでしたので、そのタイミングに驚き、寂しい気持ちでいっぱいになりました。 フジコ・ヘミングさんのことは、最初、本を読ませていただいて好きになり、2年前にはコンサートで生演奏もお聴きしました。その時のブログは、こちら♪ クラシック音楽界では、フジコさんの演奏を良く言わない人達や、「その辺の音大生の方が余程テクニックがある」

        • 東京都美術館、そして眼鏡屋さんにて・・・♪

          先日は春の陽気に誘われて、前から気になっていた東京都美術館の「印象派展-モネからアメリカへ」に行ってきました。久しぶりの美術館なので、ワクワクです!特に今はCD&レコード制作のためにドビュッシーに取り組んでいるので、印象派の絵画に興味深々。ドビュッシーの音楽は、よく「印象派」と言われるけれど、実はドビュッシーは象徴派の絵画に強く関心があったそうです。とは言え、実際にドビュッシーの音楽を聴くと、時代背景なのか、印象派の絵画に通じるものを感じますよね♪ 今回は、アメリカのウスタ

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        音楽のお好きな方と・・・!

          安川加壽子記念資料室を訪ねて

          5月の収録に向けて、今はドビュッシーの作品に取り組んでいますが、先月、ドビュッシー研究家でピアニストの青柳いづみこ先生の開催されるセミナーに参加してきました。その中で、青柳先生の恩師である安川加壽子先生の、フランス仕込みの奏法をお聞きして興味が湧いたことと、その時に購入した安川先生に関する本を読んで感銘を受けたことから、昨日は草加市にある「安川加壽子記念資料室」に行ってきました。 私が安川先生に惹かれるのには、他にも理由があって、先生は亡くなられる3年前に、私が受けた宝塚ベ

          安川加壽子記念資料室を訪ねて

          YouTubeでクラシック以外の曲を半年間弾いてみて思うこと

          今年の6月に始めた、クラシック以外の曲を毎週1曲ずつ弾くというYouTubeも、早いもので半年が経ちました。今までアップした曲は全部で28曲。小さい頃から歌謡曲好きだったものの、クラシック以外の曲を弾いたらクラシックに悪影響が出るのでは?と、今まで手を出さなかったのですが、実際やってみて思ったのは、クラシックに役立ちそうなことが沢山あって、逆にいい影響がありそう、ということです。 考えてみれば、演歌歌手がちょっとポップスを歌ったからと言って、演歌が歌えなくなるわけはないです

          YouTubeでクラシック以外の曲を半年間弾いてみて思うこと

          CDとSACD、レコードとラッカー盤(マスター盤)の聴き比べ

          先日、友人に誘われて、CDとSACD(スーパーオーディオCDの略。従来のCDよりも多くの情報を収録できる次世代CD)や、レコードの音を聴き比べる会に参加しました。来年、CDとレコードを作るにあたって、音のことを知りたい熱が高まっていたところでしたので、ちょうどいいタイミングでした♪ 今回の聴き比べの素材は、今年SACDを発売されたジャズボーカリスト・情家みえさんのCD、SACDと、レコードです。 こちらは、オーディオ評論家の麻倉怜士氏と潮晴男氏がプロデュースされ、音に拘り

          CDとSACD、レコードとラッカー盤(マスター盤)の聴き比べ

          この秋のリサイタル「ベートーヴェン生誕250周年+3years」について

          今年の秋のリサイタルは、2020年3月に予定していたものの、コロナで中止になったリサイタルの再チャレンジとなります。当時、チケットを買っていただいていたお客様に返金する際、「このリサイタルはいつか必ず実現しますので」とお約束をしましたが、それ以来、私の中でずっと気になっておりました。 コロナ禍はあまりにも大変過ぎて、「皆さん、ベートーヴェンの作品から力を得て頑張りましょう!」と言える空気ではありませんでしたが、コロナ禍も落ち着いてきた今なら大丈夫かな、と思い、この時期に開催

          この秋のリサイタル「ベートーヴェン生誕250周年+3years」について

          ラザール・ベルマン先生の思い出 その2「ベルマンが家に来る!?」

          前回は、ベルマン先生のスロヴァキアでの講習会について書きましたが、最終日に「先生がお住まいのイモラ(イタリア)に行けば、時々レッスンをしていただけますか?」と聞いてみたところ、「それもいいけど、ブリュッセルにいるのなら、友人で素晴らしい先生がいるから、是非習うといいよ!」とご紹介くださいました。その時のベルマン先生の目が真剣で、きっといい先生なのだろうと思いましたが、それがロシアの強烈なおばあちゃん先生の「エフゲニア・ブラギンスキー先生」です。留学生活を振り返って真っ先に思い

          ラザール・ベルマン先生の思い出 その2「ベルマンが家に来る!?」

          ラザール・ベルマン先生の思い出 その1「勇気を出してスロヴァキアへ」

          先日はベルギーでの留学生活について書きましたが、その中でも特に印象に残っているのが、憧れのピアニスト、ラザール・ベルマン先生の講習会に参加したことです。講習会のことは、ブリュッセル王立音楽院に置いてあったパンフレットで知りましたが、最初は「あのベルマンに習えるの?」と非常に興奮したのを思い出します。 「ラザール・ベルマン」は旧ソ連出身の、ロシアン・ピアニズムを代表するピアニストです。長らくイタリアに住んでおられましたが、亡くなってもう18年になります。私は学生時代から、リス

          ラザール・ベルマン先生の思い出 その1「勇気を出してスロヴァキアへ」

          4月のコンサートのプログラム

          今年も昨年に弾き続き、1時間のピアノコンサートを東京と大阪で予定しています。最近は、透明なものに惹かれていることもあり、今回のサブタイトルは「ピュアな響きを求めて」にしました。今日は、そのプログラム(選曲)について書きますね♪ ピュアな響き・・・といって真っ先に思い浮かんだのは、冒頭のバッハの「プレリュード第1番」です。24の調性で書かれた「平均律クラヴィーア曲集第1巻」の第1曲ですが、この曲からは神様とか宇宙とか、そんなものを感じます。それから、次のモーツァルトの「自動オ

          4月のコンサートのプログラム

          ベルギーを留学先にした理由

          最近、なぜか留学の頃のことをよく思い出すので、今日は、なぜベルギーを留学先にしたのか、について書きますね。 桐朋学園大学での生活も後半になると、だんだん卒業後を考えるようになりましたが、当時は、留学して音楽の勉強を続ける人が、わりと沢山いました。私も、卒業後は是非、クラシックの本場ヨーロッパに行って勉強してみたい、国際コンクールにも挑戦してみたい、という思いがあり、両親もそれを理解して、行きたい場所に行ってみたら?と応援してくれていました。特に裕福ではなく、普通のサラリーマ

          ベルギーを留学先にした理由

          ダニール・トリフォノフ ピアノリサイタルを聴いて

          そういえば最近、今の若いピアニストの演奏を聴いていないなぁと思い、前から名前を聞いていたダニール・トリフォノフさんのリサイタルを聴きにいきました。会場はサントリーホールで、チャイコフスキー「子どものためのアルバム」、シューマン「幻想曲」、モーツァルト「幻想曲」、ラヴェル「夜のガスパール」スクリャービン「ピアノソナタ第5番」という多彩なプログラム。 トリフォノフさんはロシア出身で現在31歳とのことですが、とても独創的で面白い演奏でした!とにかく、どの曲も私の思っていたイメージ

          ダニール・トリフォノフ ピアノリサイタルを聴いて

          謎につつまれた「エリーゼのために」その3

          前回は、この曲を贈られた女性は誰だったのか、というお話を中心に書きましたが、この曲を調べていると、全く違う角度から見えてきたものがありますので、今日はそれについて書きますね♪ 「エリーゼのために」を検索していたら、こんな本に出会いました。中村洋子著「クラシックの真実は大作曲家の『自筆譜』にあり!」。著者は作曲家で、作品は日本よりむしろドイツで認知されているそうですが、この本の中に「エリーゼのために」についての項目があるらしく、早速入手してみました。 ページを開くと、最初に

          謎につつまれた「エリーゼのために」その3

          謎につつまれた「エリーゼのために」その2

          前回は、ベートーヴェンからこの曲を贈られたであろう「エリーゼ」が、「テレーゼ」こと弟子のテレーゼ・マルファッティなのか、「エリーゼ」ことソプラノ歌手のエリーザベト・レッケルなのかで、見解が分かれていることを書きましたが(他にも「エリーゼ」候補はいるようですが、有力説はこの二人)、今日はそれについての私の考えを書きますね。 私が「エリーゼ」だと思うのは・・・ ごめんなさい!残念ながらどちらの可能性も捨てきれず、分からない、です。以下が私の考えたことです♪ 1.「テレーゼ」

          謎につつまれた「エリーゼのために」その2

          謎につつまれた「エリーゼのために」その1

          今年の春も、昨年同様に、1時間の気楽なコンサートを予定しています。今回は、ベートーヴェンの名曲「エリーゼのために」をプログラムに加えてみました。昨年のコンサートでは「普段よく耳にするけど、なかなかコンサートで聴く機会のない曲が聴けてよかった」というご感想をいただいたのですが、「エリーゼのために」も、まさにそんな曲ではないでしょうか。 「エリーゼのために」は、ピアノが少し弾けるようになったら、トライしてみたくなる曲ですね。私も小学生の頃から弾いてみていましたが、これが意外に難

          謎につつまれた「エリーゼのために」その1