遠近のある言葉
"いんよう!"の配信があり、『Nature・Cell・Scienceの○○ね』というフレーズを聴く度に、学生時代のバイト先(書店)を思い出します。
毎月1回、『MJください』と仰る素敵なおじ様に、“無線と実験”を差し出していたあの頃を。
Music Journalとかではなく、“無線と実験”です。
たしかに表紙にはMJとあるし、Musen と JikkenでMJなのです。まったくもって間違ってないのです。
自分に近しいものは普通のことでも、遠いところにあれば普通じゃないのです。
こんな書き出しですが、今回書きたいのは”いんよう!”のことではないのです。
埼玉政財界人チャリティ歌謡祭のことなのです!
twitter民であれば、もしかしたら1月1日の謎のトレンドで知ってるかもしれません。
しかし、埼玉県民でも知らない人がいるかもしれない、そしてテレビ埼玉でしか放送してない魅惑の放送。
それが埼玉政財界人チャリティ歌謡祭です。
今年は、記念すべき第30回目のはずでした。
コロナ禍で開催が延期になり、今年の元旦は過去29年間の総集編となりました。
収録会場のソニックシティが改修されることもあり、有終の美を飾れなかったことが残念でなりません。
一部のマニアに愛されている埼玉政財界人チャリティ歌謡祭が、私は大好きなのです。
その魅力をどう伝えたら良いかは、数々のtogetterのまとめを見れば解決できる。
けれども、あえて自分でも語ってみたい!というのが、今回のチャレンジです。
いつか誰かに語る日のために、失敗したっていいじゃない人間だもの。
落語に「寝床」という演目があります。
先に宣言いたしますが、私は落語の素養はありません。
小学生の頃、学校で生の落語を聞いたことがあるくらいです。
何の演目だったかは忘却の彼方にあり、落語によく出てくる登場人物の説明が面白かったという位に疎いです。
那須与一は、十一男だったから10(与)+1で与一。
与太郎は、十人いたら1人位はいそうな抜けたやつです、っていうところだけ覚えてます(あの落語家さん誰だったんだろう)
そんな中、初めて聴いた時からもの凄く親近感というか、何というかもうわかる!となったのが「寝床」でした。
とある旦那が下手な義太夫に凝っていて、まわりに聞かせたがる話です。
長屋の店子や番頭やらが、逃げたいけど逃げられなかったりといったくだりや、最後の丁稚のところまで、ものすごくわかる。
なぜなら、埼玉政財界人チャリティ歌謡祭を経験してるからですよ!
音程とテンポを超越した、前県知事さんとかすごかったですからね。
夕方のニュース番組をメインでやってたこともある、プロのアナウンサーですら誉め言葉が衣装になったり、
バックバンドの演奏技術になるレベルでした。あればすごかった。
そして、現知事さんにかわった昨年は、普通に聴けてちょっと残念でした。
逃げ出したいけど逃げられなかったんだろうな、ということがありありとわかる有志一同のバックダンサーさんとか。
もうすべてが、「寝床」なんです、埼玉政財界人チャリティ歌謡祭は。
ただし放送を観たり、観覧チケットを手に入れて現地参戦している人達は、違う楽しみ方をしています。
義太夫ならぬ、埼玉グランドホテル会長の清元節にあわせてペンラ振ってみたり。
清水園の女帝様のドレスを楽しんでみたり、プロのアナウンサーの司会術に唸ってみたり。
楽しみは、創意工夫でいくらでも生まれるのです!
埼玉政財界人チャリティ歌謡祭を知っている人には、わかってもらえる自慢をします。
私、埼玉グランドホテルに泊まった翌日に、清元にペンラ振ったことあるんです!
これも、身近ではなく遠い人には自慢にならないという意味で、MJと同じですね。