ジグゾーパズルのピース
通勤のお供に、相変わらず『いんよう!』を聴き直している。
金曜日の帰宅時には、ちょうど第47回の〝投稿コーナってあったほうがいい?〟でした。
金曜日の夜は、タモリ倶楽部を見ることが多い。
バナナの皮よりスベる皮 全部スベるまで帰れません!という回が、その日の放送内容だった。
「バナナは滑る」を科学的に証明し、イグ・ノーベル物理学賞を受賞した馬淵清資教授の研究を紹介。
バナナが滑る構造の説明があり、皮ごと食べられるバナナが登場したこと。
その流れを受けてバナナ以外の果物の皮・野菜・海産物などで、どんな皮が滑るのかを、芸人さんが検証をする。
それぞれの皮とかに対して、馬淵教授から参考コメントも貰ってたりもする。
普通に動摩擦係数の実験にもなってるし、でも堅苦しくもないし、とても楽しく見ていたのだが、途中で我に返った。
これが、科学コミュニケーションか。
『いんよう!』で、よう先輩といっちーさんが仰ってたのはこれかと。
一度、腑に落ちてしまえば、いろいろと思い浮かぶもので。
又吉直樹さんが、Eテレでやってる『ヘウレーカ』も、科学コミュニケーションだったのかとか。
『ロウソクの科学』だって、『カッコウはコンピュータに卵を産む』だってそうだよなとか。
もともと好きだったのだなと思いつつ、大いに納得した。
“なんとなく好き”というパズルのピースに、名前というピースがはまった気分だった。
日記ではなく週記のような間隔なので、この頃の出来事もつらつら。
『わすれられないおくりもの』という、絵本タイトがある。
スーザン・バーレイ作 評論社刊。
少し仕事で眼を使いすぎたせいか、ここ数日間は読書もスマホも控えていた。
既に『大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件』に手をつけていたのだが、どうしても違う何かが読みたくなり、図書館で再会したのがタイトルの絵本だ。
なぜ今になって、目に止まったのかはわからない。
返却されたばかりの本が並ぶ棚に、絵本があるのは普通のことだ。
何の変哲もない、ありふれた景色に見えた。
一時期、CMにも使われていた記憶もあるし、有名な絵本なのだろう。
拙いながら、感想。
生きている以上、常に喪失という化け物との戦いは続く。
代表的なものは時間だろうし、選択だってそうだ。人間関係も。
そんな喪失に抗うように、仲間に贈られた楽しい思い出。
与えることと、失うことは表裏一体で、片方はでも見えにくい。
軽やかにトンネルを行くアナグマさんに、弾力のある鈍色のイメージが溢れる。
でも、それをどう表現すれば良いかわからなくて、途方にくれるしかない。
どう言語化するかを感性で選んでいく、子供向けに描かれている絵本ならではなのかな。
感性が迷子の大人になってしまった私には、言語化しきれなかった。
いつか、もう少し経験を積んだら、再チャレンジしたい。