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国試を通じて臨床を読み解こう〜血圧編〜

ども、てっちゃんです。

皆さんは国家試験勉強をしている・してきた中で、陥りやすいのが「勉強のための勉強」になっていませんか。

実際、ボク自身も「勉強のための勉強」になっていて、現場に出てから忘れてしまうことが殆どでした。

在宅現場は専門特化型とは異なり、総合的な臨床力が求められる分、国家試験の勉強を臨床にもめちゃくちゃ活かしやすい特徴があります。

今回は実際の国家試験問題を通じて、「臨床の面白さ」を知ってもらいたいと思います。

では、どんな分野を主に解説するかというと、「臨床総論・各論」は在宅現場でかなり活用できる分野かと思うのでそこを中心に解説してみます!

今回は血圧の問題を見てみましょう。

血圧について「正しい」ものを「2つ」選択してください。

1.収縮時血圧と拡張期血圧の差を脈圧という
2.平均血圧は収縮時血圧と拡張期血圧の和の1/2である
3.触診法では聴診法より高く測定される
4.仮面高血圧患者では家庭血圧が診察室血圧より高い
5.白衣高血圧は若年者に多い

「え、5個!?」「正解は2つ!?」

ですよねw

難易度高いですが、頑張って考えてみてください。


1.収縮時血圧と拡張期血圧の差を脈圧という

脈圧というのは最高血圧から最低血圧を引いた数値になるのでこれは⭕️です!

脈圧の正常値は30~50 70以上は要注意です!

もう少し深く考えてみると、脈圧が大きいということは、最高血圧が主に上昇しているとも考えることができます。

この場合、中枢側の太い血管が、末梢の細い血管よりも硬くなっている状態を推測できますね。これは動脈硬化が進行してくると起きてきます。

2.平均血圧は収縮時血圧と拡張期血圧の和の1/2である

平均血圧はどんなものかというと、血液が心臓から勢いよく「ドクンドクン」と流されるわけですが、末梢の血管に到達する頃には「ドクンドクン」という拍動はなくなり一定の血液が流れ、圧力も一定になっています。

その末梢の一定の圧力になっている部分を「平均血圧」と言います。

平均血圧の正常値は90以下 110以上は要注意!

計算式は、拡張期血圧+脈圧÷3となります。よって、これは❌ですね。

末梢の血管が動脈硬化を起こすと、収縮期・拡張期ともに上昇し、平均血圧が上昇します。動脈硬化は進行と共に、末梢の血管から硬くなって、最終的には太い血管も硬くなっていきます。

動脈硬化は、平均血圧の上昇⇨脈圧の上昇という順番で進行していくといわれているので動脈硬化の進行度合いを考える上で押さえておきたいですね。

3.触診法では聴診法より高く測定される

手で触れながら測定する触診法の方が低く測定されます。よって❌ですね。

血圧測定時に、マンシェットを徐々に緩めてコルトコフ音と言われる血管音を聞く訳ですが、この音は収縮時血圧を下回ると本来すぐに聞こえ始めます。

ただし、その血管に流れる血液はわずかなため脈波も非常に弱く、触知が困難なため低く測定されていまいます。

4.白衣高血圧は若年者に多い

白衣高血圧とは、家庭血圧は正常範囲内にも関わらず、診察で高血圧を示す場合を指します。

これは比較的高齢者に多いと言われているため、❌となります。

ただし白衣高血圧は服薬管理が必要な訳ではないものの、将来的に高血圧になる危険性が高い状態であることから生活習慣の管理は必要と言えます。

5.仮面高血圧患者では家庭血圧が診察室血圧より高い

これは先ほどの白衣高血圧と逆のケースですね。家庭で測定する場合に高血圧となっていることを指し⭕️となります。

これはどんな場合に起きやすいかと言うと、現在服薬で治療中の人に多いといわれています。

家で薬を飲んで、薬が効いている時間帯に診察を受けるため、診察時は血圧は低くなっています。


はい、以上となります。4者一択よりもラッキー正解は少なくなるので正しく理解していないと解けなかったと思います。

血圧について「正しい」ものを「2つ」選択してください。

⭕️1.収縮時血圧と拡張期血圧の差を脈圧という
❌2.平均血圧は収縮時血圧と拡張期血圧の和の1/2である
❌3.触診法では聴診法より高く測定される
❌4.仮面高血圧患者では家庭血圧が診察室血圧より高い
⭕️5.白衣高血圧は若年者に多い

このように、ただの暗記ではなく臨床とつなげて考えると勉強が面白くなりそうですね。国家試験受験生はもちろん、新卒臨床家にとっても参考になってもらえたら嬉しいです!

血圧測定の関する具体的なコツはこちらのマガジンでも解説しています!

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