鳴かず飛ばずの吉原女(よしわらめ)No5

アルバイト

物流会社の夜勤の募集に応募した。通った。事務兼軽作業をする。パソコンは、使える振りをした。
仕事が始まる前日、そんなに嫌じゃない、むしろワクワクしている自分にちょっと驚いた。
吉原の仕事の時は、未来を感じられなかった。今日は、明るい未来を考えることが出来る。

事務の仕事をして思うのは、私の記憶力のなさを痛感すること、教わることを片っ端から忘れていく。

今日と明日はお休み。お金が無くても何だか楽しい。
パパと二人の時間が持てるのが嬉しい。来月請求書の山が押し寄せるのも忘れて。

物流会社の事務の仕事を今日、急に休んでしまった。
出掛ける寸前に会社の先輩の飯塚さんの顔が浮かんできて、「嫌だ。あの人にまた嫌味を言われるのか。」と思ったら途端に行きたくなくなった。
私は駄目駄目だ。社会になじめず、社会不適合者。浮いた存在。
駄目な私。こんな金欠のさなかに仕事をサボってごめんね、パパ。パパの悲しそうな顔に哀しくなった。

毎週一回神経科に通っている。今日は通院の日だ。明け方、色々な音が聞こえてきた。フローリングのきしむ音がしていた。鳥のような生き物の鳴き声も聞こえてきた。
パパに話したら「お医者さんに言わなくちゃね。」って言われた。
私は、おかしいのだろうか?幻聴?そんなの普通の人だって聞こえることは、あるだろう、ないのか?やっぱりおかしいのか?

#創作大賞2024 #エッセイ部門


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