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みえます見えます(-"-)《知覚》編
(´_ゝ`){たにぐちです。
突然ですが
今
何か
あなたの
後ろに、、、
nanika
なんだか
気配を感じませんか?
・
・
・
・
・
・
なんてね~~~_(:3」∠)_
もし何かを感じたとしたら、それは何かの感覚器が刺激を受け取ったのかもしれませんね。
さて、そんな刺激を受け取り、そして意味づけを行う《知覚》をご紹介します!
《知覚》の定義
《知覚》とは、外界からの刺激が感覚器官(眼、耳、鼻、舌、皮膚)を通じて認識され、自分のこれまでの体験や記憶、推論などからその意味づけを加えて出来事や、自分自身の状態を知ること
と定義されています。
通常私たちは、外から様々な刺激を受け取っています。
いわゆる五感といわれるものですね。
これは、
視覚
聴覚
嗅覚
味覚
触覚
に分類されます。
その五感を通して受け止めた状態を様々な形で受け止める(認知)しています。
《知覚》は、感覚器が捉えた情報を脳で自分にとって都合のよい情報に作り替えて意識に上げています。
そろそろ夏になりますが
私が指導を受けている博士から聴いた話
とある外国のかたと食事をしているときに、風鈴がなったそうですが、外国の方はその風鈴の音に気がついていなかったようです。
あとで博士が風鈴について問いかけたところ「聞こえていなかった」と。
博士はその方に「音のエアコンです」とお伝えしたそうです。
このエピソードからも、人は自分の知っている情報のみを意識に上げていることが伺えます。
知らないと意識には上がってこないんですね。
《知覚》は、正常な知覚も異常な知覚(幻覚)も、どちらの成立も第3者の観察だけでは確認をすることはできません。
つまり《知覚》は「主観的な体験」といえます。
例えば「体感幻覚」も、本人の触覚として何か違和感や痛みを知覚していますが、それを医療者が観察しても異常がない場合があります。
知覚はあくまでも自分自身の体験として成立するので、患者本人にとっては幻覚と正常な知覚に境界が存在していないのです。
そんな《知覚》は、感覚や認知との関係をみてみると分かりやすいと思います。
感覚、知覚、認知のプロセス
よく例で例えられるものをご紹介します。
感覚
「木」を観ると、「木」は視覚を通じて、形や色、音などの感覚刺激をありのままの情報として受け取ります。
知覚
大脳に伝えられた感覚としての情報は、過去の体験や記憶、知識などによって、それが「木」であるという意味付けが行われます。
認知
知覚された「木」は、さらに記憶や感情などとの統合によって
「この木はあの時の”気になる木”だ」
「そういえば子供のころよく見ていたテレビCMで放送されていたな」
と想起・連想してその頃の感情を抱いたりします。
知覚障害
精神医学では、感覚器が正常に機能しているのにも関わらず、感覚領域に生じる障害の事だけを扱います。
分類
知覚障害は
「感覚の変容」→量的な障害
「妄覚」→質的な障害
に分類されます。
それぞれ見ていきましょう。
知覚の量的な障害
知覚の量については、強さ、広がり、快-不快、時間感覚を観ていきます。
強さの異常
「感覚過敏」色や音などの知覚刺激が強まって感じられるものです。
てんかん発作の善茎、薬物中毒、心気症、神経衰弱者、統合失調症の急性期などに見られます。
「感覚鈍麻」は逆に刺激が弱まって感じられます。
広がりの異常
対象が実際よりも小さく見える(小視症)
大きく見える(大視症)
遠ざかって見える(後退視症)
近づいて見える(接近視症)
など、視覚に関する以上が代表的です。
快-不快の異常
刺激により生じる痛みがあります。
強い不快な放散痛(ピペルパチー)
身体的な病変を伴わない痛み(精神痛)などです。
時間感覚の異常
時間の経過が瞬時に過ぎ去る感覚(時間迅速現象)
時が止まったように長く感じる(時間緩慢現象)があります。
知覚の質的な障害
一方質的な障害はどのようなものがあるのでしょうか?
知覚の質的な障害には、対象が異なるものに見えるといった近くの異常が含まれます。
俗にいう「錯覚」や「幻覚」がこれに当たります。
「錯覚」とは、現実に存在する対象を誤って知覚することです。
夜道を歩いているときに、ススキが幽霊に見える等がこれに当たります。
「幻覚」とは、現実には存在しない対象を実際の感覚刺激が無くても
知覚、体験、確信することです。
主な幻覚には
幻視
幻聴
幻嗅
幻味
幻触
体感幻覚
があります。
アセスメントポイント
患者の体験する知覚を把握する上で、まず意識状態を把握することが大切になります。意識状態によって評価も変化します。
知覚をアセスメントするためのポイントは、知覚異常を伴う行動の観察、そして患者の体験する知覚異常を知ることが大切です。
知覚の異常は患者自らが不快感を表出することもありますが、内的体験に没入していたり、医療者への猜疑心が強まっていると開示してくれない場合もあります。
その為単刀直入に聴きだそうとしても、情報が得られない場合があります。
開示する上での心理的なハードルを下げる様なコミュニケーションで引き出す必要があります。
訴えがはっきりしない場合には無理に症状としてではなく、様子をありのままに記録に残す様にしましょう。
終わりに
今日は知覚についてお伝えしました。
このnoteで紹介しているMSE精神症状シリーズももうすぐで終わりを迎えます!
あと少しですがお付き合いください!
( ´_ゝ`){ではまた!
参考書籍
MSE