初めて写真で役に立った時の話
僕は留学先のニューヨークで写真を始めたのですが、当時はちょうどフィルムカメラとデジタルカメラの移行期みたいな感じでした。2000年代前半のことです。
ニューヨーク時代はもっぱら暗室作業に没頭していたので、家と大学と暗室の思い出しかないくらいなのですが、今思い返すと2004年くらいにネガをスキャンできるフィルムスキャナー(ミノルタ製)を無理して購入し、徐々にPhotoshopでの作業も増やしていきました。
日本に帰国して初めて通販サイトの撮影を始めたのが2008年頃。すっかりデジカメ時代到来で、僕も2台目のデジタル一眼レフカメラ(Canon EOS30D)を使ってました。
とあるバンドのアー写撮影を頼まれた時、そのバンドのメンバーの方が当時ものすごく勢いのあった女性誌の公式通販サイトを運営する会社の方で、『写真撮影で困ってるから来て欲しい』と言われ、五反田のオフィスビルに行ったのが最初だと記憶しています。
当時のその会社は、オフィスの1室に白の背景紙を置き、人気読者モデルさんを呼んで撮影してました。照明はLPLのクールライトが3灯だったように思います。
撮影は社員さんがデジタル一眼レフ(EOS 20D)のプログラム・オートでかなりの枚数の画像を撮影し、その後に別の社員さんがセレクト・画像加工で露出を上げたり、影を消したりして画像を整えてからアップロードする流れでした。
僕が呼ばれた理由の写真撮影で困ってることとは、『商品がどんどん増えているのでもっと効率良く撮影する方法はないか?』ということでした。
試しにその場でカメラを借りて撮影してみると、当然オートモードなのでスタジオであっても露出などの設定がシャッターごとにバラバラになります。『なるほど、とりあえずまずは露出を一定にしましょう』ということでマニュアル操作で設定(少しハイキー調)を固定して撮ることを提案しました。たったこれだけのことですが、作業効率はかなり上がったそうです。
その時に現場の社員さんから言われた言葉をよく覚えてます。
それは、
『何で明るく撮ることができるのですか?』
あともう一つは
『画像が明るいとセレクトや加工にかかる時間が早くなりました!!』
写真を勉強した僕からすると当たり前のことですが、確かにカメラの基本原理ややマニュアル操作を知らないと、カメラって『目の前のものを切り取って画像にする道具』って思ってしまいかねないですよね。
その後、僕が社員さんにマニュアル操作を教えることになったのですが、『お前が撮ったほうが早い!』ということになり、通販サイトで毎日200着近く撮影する日々が始まったのでした。
僕のYoutubeチャンネルでの露出に関する動画はこちらです
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