家族や友人との活動を撮るスナップポートレートとスタジオで撮るポートレートは全然別物という話
私がカメラ、写真を始めたのは子供の写真を撮るためでした。
撮影に関して勉強する中で、ポートレートについてセオリーと言われることが、子供の写真撮影については全く当てはまらない、ということが結構ありました。
あとから振り返ってみると、教則本で言われるようなポートレートはスタジオで肖像画代わりに撮るポートレートであって、子供と一緒に何か活動をして撮るスナップポートレートとは全然違う技術、機材が求められるということに気づきました。
自分で撮影経験を積んで、さらに七五三等でプロにスタジオで撮ってもらうと理解できる話ではあるのですが、このことについてちゃんと説明しているような記事を見たことがなかったので、自分の言葉で記事にまとめてみようと思います。
以降、子供を含む家族や友人との活動を撮るポートレート写真を「スナップポートレート」、スタジオで肖像画代わりに撮るポートレート写真を「スタジオポートレート」として違いについてまとめようと思います。
スナップポートレートとスタジオポートレートは「画角」が違う
ポートレートのためのレンズとして、定番となるレンズはフルサイズ換算で 85mm から 105mm, 135mm ぐらいの中望遠だとよく言われます。
私もそれに従って 85mm のレンズを持ってたりもしたのですが、子供の撮影ではほとんど活躍する機会がありませんでした。
ポートレートで 85mm 以上の画角が望ましいと言われるのはパース効果が控えめでゆがみが小さく美しく撮れるからです。
しかし 85mm ぐらいで人物を撮ろうとすると 2-3m ぐらいは距離を取る必要があります。スタジオでは問題ないと思いますが、日本の普通の部屋では結構厳しいと思います。また一緒に活動をする距離としては離れすぎていると思います。
同じ部屋で離れすぎずに人物を撮影しようとすると、現実的な焦点距離は 28~50mm ぐらいで特に 40mm はそれほど引かなくてもよい一方でゆがみも少ないスイートな焦点距離だと思います。
まとめると「スナップポートレート向きの焦点距離(画角)は 28mm から 50mm ぐらい、特に 40mm がおススメで、スタジオポートレート向きの焦点距離は 85mm から 135mm ぐらい」となります。
スナップポートレートにはカメラの高感度耐性が求められる
スナップポートレート特有の話としてカメラの高感度耐性が重要、という点があります。
スタジオの場合は、撮影に必要な光源を用意できるので感度をそれほど上げる必要が無いのに対して、スナップの場合は、場所に元々ある光源で撮らないといけません。さらに人物は常に動いているので室内でも 1/125 ぐらいのシャッター速度は必要になってきます。結果としてカメラの高感度耐性が結構重要になってきます。
スナップポートレートはホワイトバランスが難しい
上のスナップは光源が選べないという話は、環境光の照度だけではなくて演色性にも影響します。いろいろな種類の照明の中で写真が撮られることがあり、ホワイトバランスの難易度が上がります。カメラ側のホワイトバランスが優秀でも、まれに手動で合わせた方が良い時があります。
スタジオポートレートの場合は照明を選んでいる時に演色性を考慮していると思いますし、カラーチェッカーを撮っておくことも出来るでしょう。
スナップポートレートには高画素は不要
高画素機だと、撮った写真に対してトリミングの自由度が高まります、さらに縮小しても輪郭が浮き上がる高精細な仕上がりとなり大きなプリントにも耐えます。
肖像画代わりに撮るスタジオポートレートでは、後にいろいろな媒体で写真を利用するのでトリミングや大きなプリントに耐えることは重要です。
スナップポートレートは、撮影者の視点が残ることも重要なのでトリミングはあまりしないですし、人物に対しては高精細さは表現としてそれほど重要でもないので高画素であることはそれほど嬉しい事では無かったりします。
Google Photo に入れので画素数が多いとかえってストレージ容量を消費して困る、ということもあるでしょう。
(個人の考えが入っているところがあるかもしれません。)
まとめ
以上を表にまとめてみました。
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\begin{array}{l:r:r}
& スナップポートレート & スタジオポートレート \\
定義 & 家族や友人との活動を撮る写真 & スタジオで肖像画代わりに撮る写真\\
画角(フルサイズ換算の焦点距離) & 28mm ~ 50mm & 85mm ~ 135mm \\
高感度耐性 & 必要 & 不要 \\
ホワイトバランス & 難しい & 難しくない \\
高画素 & 不要 & 必要
\end{array}
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