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カメラのグリップは深くあるべきか浅くあるべきか

カメラのグリップが深いと嬉しい時

カメラのグリップが深いと嬉しいのはレンズが長く重い時!
レンズが長く重いと、カメラに取り付けた時の重心がボディより前に来ることになります。グリップが深いとしっかりとボディを握ることで重心に対してバランスをとれるようになります。

レンズが長く重くなる理由

レンズが長く重くなる理由は「焦点距離が長い」「高性能」「AF対応」です。

  • 「焦点距離が長い」… 長焦点距離のレンズは長くなります。

  • 「高性能」… 高解像度に対応した高性能レンズは収差の補正のため枚数を増やしレンズが長く重くなる傾向があります。

  • 「AF対応」… オートフォーカスのモーターの配置スペースの確保やフォーカスで動かす対象となるレンズ群を重くできない、などの理由で MF より AF のレンズの方が長く重くなります。

カメラのグリップが浅いのが嬉しい時

デザインにこだわったカメラはその意匠の原点をフィルム時代にさかのぼることがよくあります。
フィルム時代は、それほど望遠のレンズは存在せず、今ほどの高性能を求めることはなく、オートフォーカスにはそもそも対応していないかモーターはボディ側に配置されていたので、上記の「レンズが長く重くなる」理由があまりありませんでした。
フィルム時代のカメラのグリップは大抵浅いままで問題なかったのです。
このあたりの因果関係がひっくり返った結果として、デザインのいいカメラのグリップは浅いことがよくあります。

カメラのグリップについてのジレンマまとめ

「現代的な高性能のオートフォーカスのレンズを活かすにはグリップが深い方がよい」が「フィルム時代の古典的な意匠をあしらったデザインにこだわったカメラは皆グリップが浅い」というジレンマがあります。

ジレンマへの解4つ

グリップの浅かった時代を回顧しない

「フィルム時代の古典的な意匠をあしらったデザインにこだわったカメラ」を使わない、と割り切ってしまえばグリップの深いボディと現代的な長く重いレンズの組み合わせで最新性能を活かした写真撮影を楽しめます。

オートフォーカスに頼らずマニュアルフォーカスで頑張る

たとえば、ライカ M マウントのアポズミクロン M f2/50mm ASPH. は約 300 gで軽量で、描写についても現代の最高クラスと言われる一方でオートフォーカスには対応していません。
コシナのフォクトレンダーのレンズ群もオートフォーカスには対応していませんがレンズは短く高性能なものばかりです。
こうしたレンズであればグリップの浅いボディとの組み合わせでも重量バランスが問題になることはありません。

外付けのグリップを付ける

「フィルム時代の古典的な意匠をあしらったデザインにこだわったカメラ」にも外付けグリップのオプションが大抵用意されています。
こうしたグリップを付ければ、現代的な長く重いレンズに対してもしっかりボディを握ることが出来るようになります。
ボディ本体に対して作りこまれたグリップに比べると若干劣るところがあるのでその点は要注意です。

短く軽くても高性能なオートフォーカス対応レンズを選ぶ

例えばニコンの Z マウントについては「フィルム時代の古典的な意匠をあしらったデザインにこだわったカメラ」である Z f や Z fc といったカメラがあります。
ニコンは Z マウントの大口径ショートフランジバックを活かして、フルサイズ対応では NIKKOR Z 40mm f/2 や NIKKOR Z 28mm f/2.8, NIKKOR Z 26mm f/2.8, NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3、APS-C 専用では NIKKOR Z DX 24mm f/1.7, NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR といった薄型で比較的高性能なオートフォーカス対応のレンズを多数発売しています。
こうしたレンズであれば外付けグリップが無くても Z f のような浅いグリップのカメラでも問題なく運用できます。


追記: 自分の場合

この二年ぐらいはニコンの Z 7II という深いグリップのボディと S-Line の現代的なオートフォーカス対応のレンズ群での写真撮影を楽しんでました。
しかし最近発表された Z f という浅いグリップなボディに魅了されまして、こちらに乗り換えることを検討中です。
快適なグリップを失うことになる、まさしく上記のジレンマにはまってしまうのですが、Z マウントの NIKKOR Z 40mm f/2 や NIKKOR Z 26mm f/2.8 といった小型レンズの優秀さも知っているので、外付けグリップを足したり、フォクトレンダーのマニュアルフォーカスレンズも足したりしてこのジレンマを乗り切る所存であります。

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