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フィルムのスキャンを始めて2日、フィルムの色について考える。

写真を始めてから十数年間ずっとデジタルで撮ってきたのですが、少し前にフィルム写真をはじめて魅力に取り憑かれています。
一昨日スキャナが届きまして、初めてフィルムのスキャンを自分でやってみたので、まだわずか2日ですが今まで考えたことやフローなどを書いてみようと思います。
スキャナーが届いて最初にスキャンしたのがこの写真です。

はじめてのスキャン

カメラはMakina 67、フィルムはPORTRA400を使っています。
色転びがすごくて補正できていないものの、中判フィルムの片鱗が見えて感動しました…!
そして2日目の夜にもう一度同じ写真をスキャンしたのがこちらです。

スキャン2日目

初日と比べるとかなりニュートラルにスキャン出来るようになっているのが分かるのではないでしょうか。
まだまだ求めるクオリティからは程遠いのですが、ここで思ったのが

フィルムの種類と現像で色が変わるものだと思ってたけどスキャンめっちゃ重要じゃね…?

です。
1枚目と2枚目を比べるともはやフィルムの種類が違うのではないかというくらいの差があると思います。
というかみんなが「PORTRA400の色」と言っていたあの色は一体なんなんだ…?
一概に「PORTRA400の色」と言っても、フィルムの色が写真として確定するまでには下記の変数があります。

①フィルムの種類
②光の条件
③露光量
④現像
⑤スキャン

そしてそれぞれの変数には「これが基準である」という値があるようでありません
例えば露光量を全体測光で±0にしたところで、画面のある部分ではオーバーでありある部分ではアンダーなのです。
なので巷で言われている+1オーバーで撮るとこの色、というのも画面の明るさの比率によって流動的に変わりますし、絶対的な基準というものは存在しません。
つまりフィルムはデジタルよりも大幅に「なんとなく」色が決まっていることがわかります。
フィルムを始めて毎日思うのが、デジタルとフィルムの仕組みの違いです。
特に大きく違うのは、

デジタルは物理であり、フィルムは化学である

ということです。
化学反応は全く同じ分量の物質同士の反応であっても反応速度や順番には若干のばらつきがあります。
物理よりも揺らぎが大きいのが化学だと思います。
その揺らぎがフィルム特有の質感になっているんだなと、スキャンを自分でして初めて納得しています。
以下自分のスキャンのワークフローを紹介しつつ、初日から2日目までにスキャンした写真を見ながら色に関して思ったことを言語化していきます。

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