「ライカで撮る◯◯」という言葉の面白さ
しばらく「ライカで撮る○○」について考えていきたいと思う。
この枕詞はSNSを象徴する言葉で、ライカを使っている人が軽くポップにつけるにはとても使いやすい。
これを「言葉の軽視」という方向で一蹴する向きも見かけるが、それは「軽い言葉」について表面的なものしか見ていないと感じる。
例えばこの言葉を誰も使っていないときには、分かりやすくフォトジェニックな短い単語かつライカの印象にあう言葉が最も使いやすく、同時に拡散もされやすくなる。
例えば「ライカで撮る京都」や「ライカで撮る日常風景」などがそれにあたる。
それが浸透すると、次は少しずらした言葉の方が面白さを感じるようになる。
例えば「ライカで撮るディズニーランド」は「ライカで撮る京都」よりはライカのイメージと離れているため、少しずれを感じて引っ掛かりがある。
その次は「ライカで撮るディズニーランドを楽しむ妻」のように、少しさらに引っかかりを足して独自路線に行くフェーズで、多分今一番時代に合った「ライカで撮る○○」のテイストがこれなのではないかと思う。
同時に、そこまで言葉が浸透すると今度は大喜利出来る状態になる。
自分はこの言葉が小慣れてきて大喜利可能になるフェーズがとても好きで、それは今までの真面目な「ライカで撮る○○」がフリとして機能するから可能なことである。
例えば「ライカで撮るライカを落下させた人」や「ライカで撮る60分後に病院に行くことに気づいていないキャット」などのテイストは、この言葉が浸透していないと「?」となるだけだが、今のフェーズだと非常にぴったり来るような気がする。
「ライカで撮らない○○」などもいけるであろう。
このようにSNSで軽く使われる枕詞にも流れがあり、流れを紐解いて工夫していくことでとても言語的にも面白い体験が出来るのが自分は大好きだ。
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