〜不景気の歩き方〜 まずは日本病を理解しよう
日本の間違った文化を理解する
学生を卒業したら就職するのが当然としているのが日本ですよね。
「良い大学に入って大きな上場企業に就職するのがエリートである。」
昭和生まれや平成初期の生まれの方は特にこの文化、概念が強いのではないでしょうか。
悪いことではないですが、現代においてもそれを当たり前としている文化が日本の成長を止めている原因かと思っています。
会社員で美味しい思いをしたのは1980年代までの大きな貿易黒字の時代に社会人であった人々達と言って良いでしょう。
1970年代の高度成長期のど真ん中で働いていたいわゆる団塊の世代という方たちです。
当時は今よりハードに働いていてそれなりにストレスもあったでしょうが、その見返りが給料として反映されていました。
大卒初任給で比較するとどの程度見返りが良かったのか判ると思います。
1960年代の大卒初任給が2万円前後。
30年後の1990年代では20万円前後。
現役として働いていた期間で初任給が10倍の成長ですから、当時の日本経済を支えていた団塊の世代はもっと上がった可能性は非常に高いと思います。
それもそのはず、敗戦の影響で何も無いところからモノやサービスを提供していけば好景気が生まれますが、
モノやサービスが飽和している状態では成長が鈍化してしまい好景気が生まれないという状況になるのは理解しやすいかと思います。
つまり、高度成長期とは、敗戦後の復興でかなりの確率で企業が儲かる状態にあり、優秀な人や優秀ではない人でも出社して上司の言う事を聞いていれば給料が自動的に上がる状態でした。
したがって団塊の世代は、
会社のために働け
少々辛くても我慢しろ
その分給料で還元する
という概念が通用したのです。
残念ながら、この伝説が色濃く残っているのが日本であり、大不景気の現代では、
会社のために働け
少々辛くても我慢しろ
という概念だけになってしまっています。
日本は我慢を強いる文化が強いですが、
それはこのように
「我慢しろ、その分見返りがある」
という過去の実績が原因であり、今は見返りが支払えない不景気なので気づいたら
「我慢が常識」
という概念になっているだけです。
なぜ、このようになったのか?
それは、景気が良過ぎて自動的に給料が上がってしまっていたため、自分で給料を上げる方法を知らずに成長してからです。
そうです、高度成長期が残した最大の負の遺産は
給料の上げ方を教えない(知らない)
というものです。
給料の上げ方が知らないどころか、
むしろお金の話をするのは良くないという雰囲気にまでなっており、
非常に残念な国民性が定着しています。
果報は寝て待ては遠い昔の話し
ここで、
「は?給料の上げ方??なにそれ。」
「給料は会社が決めるものであり、意見は出来ないのでは?」
と思っているそこの貴方、完全に日本病にかかっています。
騙されていると言っても過言ではないでしょう。
では、給料の上げ方とは何でしょうか?
とても簡単です。
給料に見合った実力をつけること
給料を上げて欲しいと明確に要求すること
これだけです。
特に2が重要です。
これが日本では一般的ではない文化です。
よくある間違えは、
資格を取ったので給料を上げてくれ
頑張ったので評価をしてくれ
家族が増えたので給料を上げてくれ
などです。
気持ちはわかりますが、これでは給料アップ分に見合った要求になっていません。
給料を払う側の気持ちになってみればわかるはずです。
自分の給料からアルバイトを雇っていると思ってください。
実績もあげて給料以上に成果を出し、昇給の要求もしたのに給料が納得いくレベルまで上がらない場合は、次の対応をとった方がよいです。
なお、2年以上連続で好成績を残している前提です。単年だけの好成績の場合はマグレの可能性があるので複数年で結果を出せるまで頑張りましょう。
転職
起業
単純です、成果を報酬として還元できない組織には見切りを付ける必要があります。
この見切りをどのタイミングで付けるかがポイントです。
早過ぎてもダメ、遅過ぎてもダメ。
目安は3年から5年でしょうか。
企業の本音と建前
まず、(1)転職について話を進めます。
自分の実力を第三者から評価してもらうのに転職活動するのは良い事だと思います。
満足いく評価が複数社から貰えないのであれば残念ながら自己評価が高すぎるということになります。
ポイントは今勤めている会社と同等またはそれ以上の複数社から満足のいく評価を貰えるかどうかです。
1社だけ高い評価をしてくれたので、喜んで転職してしまう場合があります。
それは、人手不足だから高い給料を払ってでも、採用している場合があり、その場合その後の昇給は望めなく早々にまた転職するというオチが結構多いです。
つまり、自己評価が高いだけなのに人手不足の会社に採用されただけというオチなので、その見極めを複数社からの内定で判断した方が良いです。
このように評価を待つのではなく、自ら評価をとりに行くのが不景気を生き抜くスキルになります。
サラリーマンの方には耳が痛い話ではありますが、経営者は優秀な人材を安い給料で働いてもらう事が出来れば最高にハッピーです。
利益以上に人件費を払っていたら倒産しますので、当たり前です。
よく、
「弊社は正当に報酬を支払う会社です」
とアピールする会社がありますが、
それは
その時は非常に景気が良い時だった
採用広告の一環としてそのようにアピールしてるだけ
というオチが殆どです。
その会社が不景気になったら話しは変わります。
本音と建前をしっかりと理解した上で会社と付き合う必要があります。
これも不景気を生き抜く心得になります。
また、番外編として採用の裏側を少しお話しします。
採用広告や説明会で自社のストロングポイントをアピールするのが普通です。
評価制度が整っている
産休、育休の取得を推奨
女性の役職者多数
残業なし
子育て支援
嘘とは言わないですが、本音でこれを言ってる社長は居ないに等しいです。
理由は採用するためのニンジンでしかないからです。
本当は寝ずに働いて欲しいけど、それだと誰も入ってくれないから時代にあった建前を言っているだけです。
起業した社長の99%は、寝ずに働くハードワーカーです。
そんな人は上記のようなことを本音で思ってるはずはありません。
自分と同じタイプの人間しか好きになりません。
三蔵法師のような社長は現実社会には存在しなおと思った方が賢いです。
また、採用エージェントもノルマがあります。
広告主の採用成功人数でエージェント側の評価が決まります。
言い換えると、採用させてしまえば、その後は知らない。
そういうスタンスです。
ですので、エージェントは広告主に
転職者に優しい綺麗事を並べさせる
給料を高く設定させる
面接回数を減らしてハードルを低く設定させる
という提案ばかりです。
提案ならまだよいですが、
「いいんですか?それでは採用できませんよ」
と煽ってきます。本当に無責任です。
採用の楽屋裏はこういう状況なので本音と建前はしっかりと理解する必要があります。
今回はココまでとします。
次回は(2)企業について書いていきたいと思います。
それでは。