【レビュー】SONY 24-240mm F3.5-6.3 OSS SEL24240って東京ディズニーリゾートでどのくらい使えるの?
以前書いたTAMRONのA071というレンズとよく比較される、SONYの「SEL24240」のレビューです。
TAMRONのA071のレビューは↓になります。
SONY SEL24240はソニーフルサイズミラーレス一眼カメラ用の高倍率ズームレンズです。新品は14万円程度と高価ですが、最近は中古の価格もかなり下がってきており、2021/8/6時点でカメラのキタムラ中古価格は67,800円でした。安い…
TAMRON A071との比較をざっくり書くと
SONY SEL24240のほうが
・焦点距離が広角側が4mm、望遠側が40mm長い
(より広く撮れるし、よりズームできる)
・最短撮影距離が広角端でも0.5mと長い(寄れない)
・F値が暗い(暗所に弱い)
・200gほど重い(持ち歩くと疲れる)
・フィルター径が5mm大きい(レンズが太い)
・手ブレ補正機能がついている(ブレない)
です。
なんか欠点ばっかり書いてある風なので、つまり綺麗に撮れないってこと?って思われがちですが、そんな事はないんです。
結論を先に言うと、まったく問題なく使えます。以下に自分が実際にSEL24240を使用してパークで撮影した写真をご紹介します。今回も掲載する写真はすべてJPEG撮って出し(無加工)です。参考になればうれしいです。
①近接撮影(食べ物、小物)
[SONY SEL24240 24mm F3.5]
最短撮影距離0.5mというのは、テーブルに乗った食べ物や小物を椅子に座った状態から構えると、ピントが合いません。そのくらい遠いのです。意識して自分から離れた場所に置くか、席を立って遠くから狙うことになります。不便ですよね。
[SONY SEL24240 219mm F6.3]
少し離れたところから、望遠側で狙ってみました。望遠端では最短撮影距離が0.8mまで伸びてしまいますが、広角端の時よりは寄った写真が撮れますね。ただ、80cm離れて撮影するって、結構遠いですよ。
[SONY SEL24240 191mm F11]
小さな対象を寄って撮影するマクロ的な使いかたは、このレンズでは向いていません。いろいろ試行錯誤して、やっとこの程度撮れるといった感じになります。
②広角風景撮影
[SONY SEL24240 24mm F3.5]
24mmではパークの景色を非常に広く映すことができます。24mmと28mmは結構違うので、有利な点ですね。
[SONY SEL24240 24mm F3.5]
開放F値は3.5スタートのためあまり明るくなく、大きなボケを得ることは難しいです。しかし、この向日葵のように何が主役かが分かる写真を撮ることはできます。
③ショーパレでの望遠側の使用
[SONY SEL24240 87mm F5.6]
屋外での昼間のショーに関しては、まったく問題なく使用できます。オートフォーカス速度や画質も不満はありません。
ネットのレビュー記事では解像感が低いという見解が目立ちますが例えばこのnoteの記事の写真では1200px程度まで縮小されてしまうため、解像感について議論することなど不毛です。
[SONY SEL24240 Super35mm 360mm F6.3]
Super35mmモードで撮影すれば焦点距離が1.5倍になり、360mmで撮影できます。これはパートナーズ像の横からパレードルートにいるキャラクターを撮影していますが、ここまで寄って撮れれば十分でしょう。
[SONY SEL24240 240mm F6.3]
室内のショー「ミッキー&カンパニー」は照明が全体的にやや暗いですが、このように望遠端で暗いF値でも綺麗な写真が撮れます。
[SONY SEL24240 240mm F6.3]
「ハロー!ニューヨーク」は屋外のショーですが、照明が明るいため問題なく撮れます。
TAMRON A071のような暗所のオートフォーカス速度の低下は見られないですね。
[SONY SEL24240 240mm F6.3]
「エレクトリカルパレード・ドリームライツ」は暗い中で動くキャラクターを撮影するため非常に難易度が高いです。
2019年3月にリニューアルしたアリスのような、明るい照明がついているフロートに乗っているキャラクターは割と撮影しやすいので、このようにしっかりと綺麗な写真が撮影できます。
[SONY SEL24240 240mm F6.3]
「ミッキーのドリームライツ・トレイン」とセットで歩くダンサーさんの写真です。このダンサーさんは非常に暗く、通常では撮影はほぼ不可能と言っていいでしょう。肉眼では発光している部分以外はほぼ見えないに近いですから。
開放F値が暗いSEL24240であっても、事前の設定を済ませておき、ダンサーさんの動きを把握して適切なピント合わせを行うことでここまでクリアな写真を撮影できます。ダンサーさんは一定のパターンで行進しているだけなので、何回か観れば動きは予測できます。
[SONY SEL24240 240mm F6.3]
こちらはフィナーレの「ショーボート(ドナルドとデイジーのフロート)」の前にいるダンサーさんです。
先ほどのダンサーさんお決定的に違うのは、踊っているといことです。不慣れな方が適当に撮っても、間違いなくブレブレの写真しか撮れません。このように表情まで分かるレベルの写真を撮影するには、結局動きを把握するしかありません。
そういった努力の先にあるのが、SEL24240のような暗いレンズでも問題なく綺麗な写真が撮影できるということになります。
いかがだったでしょうか。
寄れないというのはパークの撮影において致命的なので、そういったものはスマートフォンでの撮影に任せればいいかと思います。
他の要素についてはまったく問題がなく、十分に戦力になるレンズでお勧めできる一本です。風景撮影を重視する方なんかには向いていますよ。
ちなみに、重いというのはもう気合しかないです。
Yuz.