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なぜ「?」は「はてな」と読む?【考察コラム】


なぜ「?」は「はてな」と読むのか


なぜ「?」は「はてな」と読むのか。
そう疑問に思ったきっかけは、『宮本武蔵』吉川英治/著を読んだからだ。

『宮本武蔵』を読み進めていくと、
登場人物のセリフ(言葉)のあとに頻繁に「はてな」とつくではないか。
語尾に「?」ではなくて、ひらがなで「はてな」と。
こちらの頭に「?」が浮かんでくる。

生まれて初めてなぜ「?」は「はてな」と読むのかを疑問に思った。
今まで「?」のことを「はてな」と読むのは当然のことだった。

むしろ、このひらがなの「はてな」ってなんなのだ。
何か意味あるのだろうか。

なぜ、吉川英治は「?」と書かずに「はてな」と書くのか。
もしかしたら、この読み方には意味があるのかもしれない。
気になり始めたらどんどん深みにはまってきた。
よし、調べてみようじゃないか。

「?」と「はてな」の調査

調べた結果、なぜ「?」を「はてな」と読むのかという
理由まではわからなかった。
しかし、この二つには関係があるらしいことはわかった。

「はてな」と国語辞典で引いてみると、

はてな〈感〉あやしむとき、考えこむときなどにいうことば。
「-、おかしいぞ・-マーク(=『?』)」

『三省堂 現代新国語辞典 第六版』1123頁より引用

といった意味や用例が書かれていた。

また、別の国語辞典には

はて‐な
1. 〘 感動詞 〙 「はて」にさらに怪しみいぶかる気持を添えた語。安永・天明期(一七七二‐八九)の江戸吉原丁子屋の流行語であった。
 1. [初出の実例]「はてな、ハテナと聞て斗居るには、いけずの若ひもの  も、ほうどこまりぬ」(出典:洒落本・水月ものはなし(1758)下)
 2. 「ハテナ。雪隠へでも往ったか」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉三)

『精選版 日本国語大辞典』はてな(ハテナ)とは? 意味や使い方 - コトバンク (kotobank.jp)より引用

というように書かれていた。

「?」と「はてな」の意味するもの

これらをまとめると、「?」(はてなマーク)と「はてな」(言葉のはじめの部分や語尾などにつくはてな)には、どうやら共通の意味があるらしい。
あやしんだり考えこんだりするときには、頭に「?」が浮かぶ。
それは、「はて‐な」であり、「はて、な」という心境=気持ちなのだ。
もしかしたら、現代風にわかりやすくいうと
「はて、なんなのだろう」みたいな気持ちに近いのかなと思った。

なるほど。当たり前のように「?」を「はてな」と読んでいたが、
今回、少し調べたことから新鮮で驚きに満ちた発見がもたらされた。
嬉しい気づきである。これだから読書はやめられない。

城本みちる

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