小サイズ撮像素子の下剋上か!?
シャープネスの改善で少し驚くような細微描写改善が可能になりました。今まではフルサイズでなければ不安だったシーンも、レンズさえ気をつければAPS-Cでも問題無さそうだと判断しています。私の使い方なのであくまで個人的な感想です。そこでより小さく軽い1インチ撮像素子で、APS-Cサイズのカメラに匹敵できるか。もしかして下剋上はあり得るのか、Canon EOS R10 vs Canon PoweShot G7XⅡの対決を試みました。
山登りなどで荷物を増やせない場合に、一定の画像品質が得られるなら、EVFが無いとかケーブルレリーズが使えないなど、少しくらいの使いにくさは我慢できるかもしれません。
以下はG7XmarkⅡで撮影したRAWデータを前回と同じように、DPPで現像しTopazを利用して画像加工しました
画像の全体像は以下の通り
DPPでシャープネスをOFFとしてTopazでシャープネスを補った場合
同じ位置からRF28mm F2.8 STMを装着しR10で撮影
PSは風景 シャープネスはアンシャープマスク、設定はG7XmarkⅡと同じ
やや思い入れを込めれば、これならなんとか張り合える品質だと思えるのですが、疑り深いので被写体を変えてさらに2シーンで検証してみました。
近景 R10+18-150mm フルサイズ換算 35mm付近
遠景 R10+18-150mm フルサイズ換算 35mm付近
総合的に判断すれば、被写体によって結果は異なります。どの様に頑張って現像で工夫をしても、G7XmarkⅡがR10を越えるという下剋上は起きませんでしたが、A4程度での観察では優劣の判断が難しいくらいまでは肉薄しています。
G7XmarkⅡは2016年に発売された古いモデルのため、現在のR10と比べるには可哀想ですが、よく健闘している印象です。
2600万画素と2000万画素の違い、レンズ性能、素子1つの大きさ、ダイナミックレンジ、画像エンジン、アルゴリズム、ローパスの設計差、等々、要因は数限りなくあるのですが、それを解明する事にあまり意味は無いでしょう。何を使い手にもたらしてくれるかの検証でした。
2024年まの傾向として、コンパクトカメラが市場から姿を消し、高価なミラーレス一眼が主流となりつつある事に危惧しています。検証したコンパクトカメラの画像品質で、本当に不足を感じるでしょうか。疑問です。
私も若いときは写真が好きというよりカメラが好きから始まり、職業カメラマンに進みました。現在では撮りたい写真があって、そのための道具としてカメラを選んでいます。
メカ好きとして物欲は同感できるのですが、何のためにカメラを欲するのか、今一度考えてみませんか。
「下剋上が有るかもしない」と思い始めた今回の検証は良き機会でした。
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