2400万画素で最高の結果を Vol-2
前回はDPPとTOPAZ PHOTOを使った手法を紹介しましたが、今回はDPPとAdobe Camera Rawのシャープネス処理を比較しながら検証してゆきます。
カメラ生成のjpegではこのような選択は不可です。
jpeg撮って出しに拘る方こそご一読ください。
DPPには解像感やメリハリといった表現の効果(先鋭化)には、「明瞭度」と「シャープネス」があり、シャープネスには「シャープネス」と「アンシャープマスク」があります。
CameraRawには「明瞭度」と「ディテール」の中に「シャープ」があります。
名称は同じようですが効果はかなり違っていますので、まずその違いを見てみましょう。
EOS R10 撮影 全体像
DPPの明瞭度
CameraRawの明瞭度
名称が同じでも全く効果が異なります。
DPPは全体の階調変化は少なく、細部のコントラスト調整で明瞭度がコントロールされています。
CameraRawの場合は、マイナスでは霧がかかったようになり、プラスでは全体の階調が大きく変化しているように見えます。ひとつのパラメータで起こす変化とは思えないくらい、両者の性質は大きく異なります
シャープネスの調整 DPP アンシャープマスク
シャープネスの調整 DPP シャープネス
シャープネスの調整 CaneraRaw シャープ
三者三様の細部です。
DPPのアンシャープマスクはハイライトの強調が強く、瓦の明るさ変化が大きく、表現を変えれば色彩を失っています。細かさのパラメータを小さくしてもあまり変化無く繊細さは生まれてきません。結果的に荒々しくざらついた印象です。
DPPのシャープネスは鮮鋭度だけが際立ってゆく印象で、アンシャープマスクの、白縁黒縁効果はありません。結果的に瓦の明るさ変化も僅かです。
CaneraRawのシャープは瓦の濃さに全く変化無く、細部の黒が強調されただけです。
さらに細部を拡大比較します
かなり様子が異なりますね。
被写体によって選択するレベルなのでしょうか。好みで選択する内容なのでしょうか。実際のところ2400万画素で、極端な効果を与えず中庸を守るなら、2Lサイズであれば大きな差は感じないと思いますが、A4を越えると全体の印象としてハッキリと差が感じられます。
注意してほしいのは、Photoshopに含まれる「シャープ」「アンシャープマスク」調整と名前は同じですが、結果は同じではありません。
明瞭度とシャープネスと組み合わせで無数の選択肢
各自の好き嫌いで決めれば良いのですが、参考までに私がよく使う2つのセットを紹介します
風景等で緻密な細部が多く、拡大使用を想定し現像時に出来るだけ細部階調を残しておきたい場合
ごく一般的に商品写真や風景などA4を越える使用はあまり考えられない場合。少し線がふっとい印象ですが大きく使わない場合はこちらの方がキリッとした印象になります。
シャープネス調整はひとつのダイアルでコントロール出来ません。明るさ調整とホワイトバランスの後調整のためだけのRAW現像ではありません。だからこそRAW現像に精通して、より良い作品を作る楽しみにはまってみませんか。
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