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2400万画素で最高の結果を
高騰するデジタル一眼レフで、入手しやすくて一定の性能を求めるには、APS-C 2400面画素クラスが最適ですが、高精細な画像を求めるにはいくつかの工夫が必要です。
題材とするカメラは、EOS R10+RF-S18-150mmという売れ線ですが、あまり画質に対して期待されていないかもしれない組み合わせで検証しました。
純正RAW現像アプリ+Topaz Photo AI
DPP(Digital Photo Professional 4)とは
Canonの純正RAW編集アプリで、長い歴史の中磨き上げられた強力なツールです。私の勝手な判断ですが、追随を許さない圧倒的長所は2つあると思います。
1)カメラで生成されたjpeg画像とほぼ同じ画像が得られる。純正ですから当たり前のように感じますが、以外にも少ないのです。色彩設定やレンズ収差補正など、設定方法、名称、効果はカメラと同じです。
2)オリジナルピクチャースタイルを含むRAWデータや、現像時に新たなオリジナルピクチャースタイルを適用出来る。
このnoteで数々のオリジナルピクチャースタイルを紹介してきましたが、カメラに登録する以外では、DPPで利用する以外方法がありません。それだけCanonの画像処理と深く関わった仕組みであると思います。
Topaz Photo AIとは
強力なシャープネス、ノイズ除去、拡大処理を核として、jpegもRAWデータも現像するツールです。RAW現像はとても扱いにくく細かな処理は出来ません。ノイズ除去も拡大処理も素晴らしいのですが今回は秀逸なシャープネス機能だけを利用します。
サンプル画像
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F4.5 ISO200 1/1000sec 高輝度側階調優先=ON ALO=Mid
PS=オリジナルPS
DPPで何時ものように現像
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レンズ収差補正は全てONです
細部を見ればやや線が太く荒々しい印象です。A4程度にプリントするなら、ほぼ問題の無い画質ですが、一部を拡大すると粗が見えることは否めません。
上の画像にTopaz Photo AIでシャープネスを追加
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荒っぽさが強調されて雑な印象に
Topaz Photo AIのシャープネス強調は非常にすぐれた機能ですが、元の画像次第で仕上がりは大きく変わります。
DPPで再現像
鮮明度に最も大きく関係する、明瞭度、シャープネスを最も弱くします。
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明らかにぼんやりした印象ですが、画面左の円弧の黒い線と空の間に、DPPのシャープネスが作ってしまった輪郭線のようなものは無く、細部のギラついたハイライトもありません。Topaz Photo AIの素材にはちょうど良いようです。
(AdobeCameraRAWの明瞭度調整とは異なる結果ですので、CameraRAWで同様の効果は期待できません)
では先ほどと同じパラメータでシャープネスを追加します
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DPPで現像しただけの結果と比べます
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右 DPPで明瞭度、シャープネスをゼロとして
Topaz Photo AIでシャープネスを追加
何も知らずに2点を比べたら、画素数が増えたか、レンズが変わったかのように見えますね。しかも荒々しさはどこにも無く繊細な解像感です。
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フルサイズへの憬れは捨てましょう
同じCanonでもより高画素のフルサイズ機では、同じようなデフォルトの処理であっても、明らかに解像感は異なります。ではR10のRAW画像を今回の様に仕上げた結果に不満があるでしょうか。しかもレンズはキットレンズの便利ズームです。
見た目で見栄を張る目的が私には無いので、撮りたいと意識した時に撮れて、撮らないときには邪魔をしないカメラが最高です。使いこなしでここまで画像品質がアップすることを理解して、予算配分をしてみては如何でしょうか?