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PENTAX SP を使ってみた


1960年代終わり頃の製造か

 全世界で4百万台売れたと言われる往年の名機 PENTAX SP。シリアルナンバーは割合初期の130万台なので、1960年代終わり頃の製造かと思われる。取扱説明書が現在もリコーイメージングの公式サイトからダウンロードできるのは感心した。他のメーカーも少しは見習ってほしい。
 ペンタプリズム上部のアクセサリーシューは脱着式で、外すとスッキリした外観になる。AUTO YASINON-DS 50mm F1.9 を装着してみた。


PENTAX SP, AUTO YASINON-DS 50mm F1.9, FOMAPAN100(ISO200増感), 2024年12月


PENTAX SP, AUTO YASINON-DS 50mm F1.9, FOMAPAN100(ISO200増感), 2025年1月


PENTAX SP, AUTO YASINON-DS 50mm F1.9, FOMAPAN100(ISO200増感), 2025年1月


PENTAX SP, AUTO YASINON-DS 50mm F1.9, FOMAPAN100(ISO200増感), 2025年1月


PENTAX SP, AUTO YASINON-DS 50mm F1.9, FOMAPAN100(ISO200増感), 2025年1月


PENTAX SP, AUTO YASINON-DS 50mm F1.9, FOMAPAN100(ISO200増感), 2025年1月


PENTAX SP, AUTO YASINON-DS 50mm F1.9, FOMAPAN100(ISO200増感), 2025年1月

 PENTAX SPの重量は公称623gでNikon FMより少し重い程度。肩部までの高さがあるので持ちやすい。横走布幕シャッターは1/1000~1秒で柔らかくて心地よい作動音を奏でる。いちばん感心するのはシャッターボタンの軽さで、重くてストロークの長いNikonに比べると、あっと思う間に切れてしまう。考えてみればメカシャッターでもシアの噛み合わせ長や角度、スプリングレートの設計でストロークも重さも制御できるのだから、軽くすることは可能なわけである。
 M42マウントは使い回しがきくので、ヤシノンを付けても何ら違和感はない。同じ富岡光学製と推測されるプラナーと比較すると、ボケ味の傾向は似ていて開放だと柔らかい写り方をする。コントラストは明らかにプラナーが良く、ヤシノンの画はやや大人しい感じがする。絞っても、同じM42の西ドイツTessarのようなキツい描写にはならない。


PENTAX SP, TAKUMAR 28mm F3.5, FOMAPAN100(ISO200増感), 2025年1月


PENTAX SP, TAKUMAR 28mm F3.5, FOMAPAN100(ISO200増感), 2025年1月


PENTAX SP, TAKUMAR 28mm F3.5, FOMAPAN100(ISO200増感), 2025年1月


PENTAX SP, TAKUMAR 28mm F3.5, FOMAPAN100(ISO200増感), 2025年1月


PENTAX SP, TAKUMAR 28mm F3.5, FOMAPAN100(ISO200増感), 2025年1月

 広角のTAKUMAR 28mm F3.5に付け替えた。意図的にローキーにはしたのだが全般的に露出アンダーだったようで、スキャン後のデータ処理で諧調が荒れてしまった。SPのTTL露出計はボディの「SPOTMATIC」ロゴに反して平均測光だという。当初はスポット測光で開発していたらしいが変更されたそうだ。自分の感覚が中央重点測光になっていて、空が入るような明暗差が大きい構図に対処できなかった。


ボディ上部の分解整備

 シャッター以外は動作未確認の品だった。下部の注油と電池接点磨きを終え、上部の分解整備中の図。この後ペンタプリズムを外してファインダー内部を清掃した。少なくともこの部分については設計が合理的で作業しやすい。露出計スイッチは構えた状態でレンズ基部の左側にあって、これを押し上げると絞り込みが行われ同時に露出計が作動し、シャッターを切ると元に戻るようになっている。動きが渋くて動作不良だったが、注油だけで正常になり、露出計のメーターも動くようになった。電池はLR41にOリングをかぶせて大きさだけ合わせれば使うことができる。


ファインダーの見え方

目立つゴミは除去できた。中心部はマイクロプリズムで、スプリットプリズムは無い。露出計の針が中央を指して適正露出を示している。振れ幅は上下2段ずつほど。倍率が大きくて見やすいファインダーで、当時の標準レンズTAKUMAR 55mmを付けると等倍になるらしい。

 今回はFOMAPANの現像にスーパープロドール原液を使ってみた。元々強い現像液なので少しの時間延長で増感できる。とりあえず21℃で5.5分としてみたが、もう少し押してもよさそうだ。

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