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3級アマチュア無線技士の免許取得から開局までの長い長い道のり

ハローCQ、CQ、CQ、こちらはJF9TCC/9
今年6月に長く夢見ていたアマチュア無線の免許を取り、開局を行いロールコールやラグチューを楽しむようになりました。はい。専門用語が多くて訳が分からないと思います。
こちらの記事ではアマチュア無線の面白さと電波を出すまでの道のりを書きます。長い文章ですが太字だけ読めば大体わかります。

アマチュア無線の面白さ

条件が良ければ世界中の人と会話ができる偶然性と条件を整えるために研究する面白さがあります。条件とは自分の無線機の性能と相手の無線機の性能以外にも、お互いの位置や大気の状態にもよります。隣町で聴こえないこともあれば地球の裏側でも交信ができる場合があります。だから、交信するために高台に登ったり、旅行のついでに交信を試みたりすると意外なところと繋がったりします。また、決められたルールの中で交信成立した数を競うコンテストも世界中で開催されており、成績を残す・エントリーして参加をする面白さもあります。

なぜ免許が必要なのか

電波というのは目には見えませんが道路と同じく公共物です。
というのも同じ周波数で交信をしたとき、その周波数に合わせれば誰でも傍受ができます。また、その周波数で発信したら電波強度が弱い方が混信してかき消されてしまいます。アマチュア無線で仕事はしてはいけませんが、防災や日常会話等を話しているときにかき消されたり邪魔をされてしまっては迷惑ですよね。公共物を使用するということは一定のルールが必要です。このため、免許が必要なのだと私はとらえています。
免許は4級から1級まであります。大きな違いは電波の送信電力の違いです。
送信電力が高いとより強く遠くまで電波は飛びます。ですが、それだけ取り扱いには他人に迷惑をかけないように注意が必要です。中型バイクと大型バイクは大して違いはないのに免許が分けられているのと同じですね。
とにかく電波は公共物であることを絶対に忘れてはなりません。

免許"証"と免許"状"

これの理解に時間がかかった。試験でも出たんだけど一文字違いで全然違うものです。
試験に合格すると"免許証"が交付されます。
免許証が交付され、無線機を購入して開局申請すると"免許状"が交付されます。
運転免許証と車検証で例える方がいますが、誤りです。
運転免許証があれば免許の範囲内ですべての車両を運転できますが、無線の免許証だけあっても無線機を使用できません。

無線は免許証があっても電波を出すことができません。なぜなら、コールサインがないから。コールサインは免許状に記載されています。そして免許状申請には使用する無線機の届け出が必要です。ですので無線機を買ってから総通に免許状の申請(電子申請)をしなければなりません。
免許証・無線機・免許状の3点がそろって初めて個人での運用ができるようになります。(社団メンバーやオペレータとしての運用は除きます)
ここまで聞いてとってもめんどくさいなと思った方が8割くらいだと思います。携帯もラインもあるのに、勉強して無線機買って無駄しかないと思っていますよね。わかります。でもそれが、趣味です。

左:免許証 右:免許状 額は百均のもの

ここまでのまとめ

電波を出すまでには長い道のりがある
1.試験に合格して免許証の交付を受ける
2.無線機を買う
3.総通に電子申請して免許状の交付を受ける
4.電波を出すことができる

以下それぞれの行程を細かく解説していきます。

1.試験に合格して免許証の交付を受ける

試験はテストセンター形式(CBT)をお勧めします
自分で受験日と受験会場を選んで試験に臨みます。

1-1受験申請
会員登録をして受験日・受験場所を選びます
参考までに社会人の私は1日3時間ほどの勉強を20日ほどしました。
ですので勉強時間は1か月または80時間ほどあれば大丈夫だと思います。

2-2受験勉強
受験勉強は理解よりも過去問です
アマチュア無線の資格は忖度なしで言うと資格勉強の知識はほとんど運用で使いません。過去問も数字が変わらずに出題されるものがすべてといってよいくらいです。選択肢の順番が変わったり空白の場所が変わったりするだけですので、問題を見た瞬間に答えが思い浮かぶくらいの丸暗記でOKです

お友達局のJF9QYVから4年前の過去問を借りたよ

実際の運用でわからないことは無線仲間やyoutubeやCQなどの雑誌を読めばOKです。(私は実際の運用がわからずに絶賛悩み中です)なぜそう言い切れるかというと合格水準の低さにあります。

左:やってはいけない理解型 右:過去問をとにかく解く(数字は選択肢の答え)
3級はモールスがあるよ A-Z+数字を覚えよう
でも実際の運用を考えたら合調語での語呂合わせはやめた方が良い

2-3敵を知る
法規:16問出題 1問5点
無線工学:14問出題 1問5点
試験時間:1時間10分(1問につき140秒ペース)
合格基準:(法規)満点80点/合格点55点
     (無線工学)満点70点/合格点45点

合格率:おおむね80%!!!!(漢字検定3級くらいかな)

3-3CBT受験時の裏技
CBTというのはコンピュータによる受験です。マークシートを塗りつぶす作業がコンピューターのラジオボタンの選択に変わったといえばわかりやすいです。もちろんメモを取ったりすることはできます(持ち帰れません)
このCBT試験終了後に合計点がのみが表示・印刷されて持ち帰れます。
試験終了後にあなたの得点は○○点ですと表示・印刷されます。
内訳は分かりません。

試験後に持ち帰れる点数がわかる紙(120点だった)

実はこの時点で合否がわかる裏ワザがあります。
満点(80点+70点=150点)、合格点(55点+45点=100点)です。
例えばあなたの合格点は100点ですと表示された場合、合格だと喜べますか?仮に法規80点満点で無線工学が20点だった場合無線工学25点不足で不合格となります。法規と工学が合格点を上回る最低ラインはどこかということです。125点だ。合計125点以上取ればその場で合格だとわかる。法規が満点80点の場合は工学45点ということになります。また、逆に工学が満点70点の場合は法規55点ということになります。100点未満はその場で不合格だとわかります。一番あいまいなのは100点から120点までの間。法規と工学の点数の内訳変動次第で合否が分れます。震えて眠らなければならない。まぁ、僕は120点で震えて1か月合否までを過ごしましたが・・・

3-4合格したら
1.受験後10日くらいでメールにて合否が来ます。
2.メールのリンク先にて免許証の申請を行います。
3.申請から2週間ほどで免許証が郵送されてきます。(やったね)

"合格"の文字が目に入ったとき変な声が出たよ

2.無線機を買う

ここがややこしい。
免許証と無線機だけでは使用してはいけません。
後に出てくる免許状が必要なのです。
鶏が先か卵が先かみたいな話ですが、使用する無線機で申請しなければ免許状の交付を受けられません。この無線機を使いますよって感じの内容が免許状に記載されます。
中には、前もって購入予定のもので申請する方もいますが、正しくは自分が使用する無線機で申請しないといけません。
アイコムとか八重洲とかありますが、3級なら50Wまで使用できるものを選べばよいと思います。が10Wや5Wで十分です。というのも高出力至上主義にならないように低出力を馬鹿にしないためにも大事な考え方です。私は八重洲のFT-5Dを購入しました。大体5万円

僕の愛機だぞ

3.総通に電子申請して免許状の交付を受ける

免許証・無線機(諸元がわかる資料)が用意出来たらいよいよ免許状申請です。またの名を開局申請とも言います。入口最後の行程です。

上のリンクから申請できます。
本当にいろいろ入力しなければなりません。
あと電波は公共物です。電波使用料も納付しなければなりません。こちらは後日公共料金支払用紙のようなものが郵送されてきます。
免許状は窓口で受け取ると早いです。申請が通るとメールが来ますので。それを待ってから窓口に行きましょう。

窓口でA5の免許状が交付されます。といっても安っぽいただの紙でした。
免許証よりもほしかったものだけどちょっとしょぼいと思いました。
ここで初めて一生使うコールサインがわかります。
私はJF9TCC。よろしくね

4.電波を出すことができる

ここまで長い道のりで開局までこぎつけたあなたの執念はすごい!
中には免許証だけ取ってそのままの方も多いので熱意に敬服します。
ですが、ここは入り口。戦いはこれからです。試験には出ていない実際の暗黙の了解やルールもあります。電波は50Wでも世界中に飛びます。宇宙にも飛ぶことがあります。誰が聞いているか分かりません。ポジティブに考えると誰に届くか分かりません。誰か聞いていないかな?僕、聞いてるよ!やぁ久しぶり、最近どうよ?何年振り?なんて話が世界中とできます。JARLに入会してQSLカード交換も楽しいと思います(私は11月に入会予定)

おわりに

声さえ出せればいつまでも続けられる趣味です。
まず最初に右も左もわからないと思います。そんな方は地域の無線クラブのロールコール(RC)を聴いてみるも一つです。ロールコールは定期的にメンバーが順番に最近会ったことを話をしたり取り決めを行う朝礼みたいなものだと思ってください。ではクラブでなければ参加できないのかというとそんなことはなくて、ほとんどのクラブはロールコール中に"どなたか他お聞きの局はいらっしゃいますか"と聞いてくれます。勇気を出してPTTスイッチを押して"こちらは+自分のコールサイン+です。聞こえますか。どうぞ"と言ってみましょう。
きっと親切に答えてくれると思います。私の場合は親切に心を救われました。そして少しずつ知り合いができていく喜びを感じてくださいね。実際に無線家同士が合うことをアイボールといいます。これも楽しいので是非。そしてベテランの方にはいろんなことを聞いてみましょう。

大乗寺丘陵公園にて移動運用中のスギモト

私が肌で感じた経験ですので表現に誤解がある場合があります。
もしも間違いなどご意見ございましたらご連絡いただければ直ちに訂正いたします。それではいつか空でつながりましょう!!73/33


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