格好悪く足掻いている君へ
二〇二一年 十一月二十二日
拝啓
ある一つの本を読み終えたので、まずは君に手紙を書こうと思った。僕はいま、京都にいる。今の生活は僕にとって退屈であり、嫌気が差している。教授の機嫌は七色に変化し、息子さんが好きな「すみっこぐらし」のチョコエッグを賄賂になんとか機嫌を取ったりする。僕はよくできた人間であるから、教授にはぺこぺこするのも慣れているのだ。後輩はというと、それはそれは僕を頼りきりである。何度も言うが、僕はよくできた人間だからである。「秋山さんは怖い。」なんて噂が耳に入