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有機な言葉/無機な言葉

最近SNSでとても不快な投稿を見た。
某Xではインプレッションというもので報酬を簡単に得ることができるようで、明らかにそのインプレッション稼ぎのため、有名人をターゲットにその知名度を利用して”燃えそうな”投稿で注目を集めようというものである。

おそらくその投稿はAIなんかで作成されたものではなく、私と同じ人間が悪意を持って世界に放ったものである。
私はこの手の人と(大枠では)同じ人間に分類されることに心の底から嫌悪した。

こんなこと取るに足らないことであるが、ほんの少しでも嫌な気持ちになったのは事実である。
そんな気持ちでいたが、その後、大好きなラジオ番組を聞いてさっきのもやもやが気付けばどこかへ消えていた。

その番組は、星野源のオールナイトニッポン。
9/24は放送400回目の記念すべき日だった。
とある星野リゾートからの生放送ということでシチュエーションは特別感があったものの内容は普段と変わらない。(きちんとお祝い放送ではありましたが)
源さんの穏やかな温かい声が、電波を通じて聞こえてきてとても癒された。

以前、MIU404やコウノドリで共演した綾野剛さんが源さんの声を「源ちゃんの声は食える」と評していた。その表現すごく分かるしすごくいいなと思う。きっと源さんの声が本当に食べられるのならとても美味しいはずだ。
イメージとしては具沢山味噌汁と塩おにぎり。

そして源さんの声だけでなく、その声で発せられる言葉がちゃんと人間の言葉で血が通っていることに安心する。

冒頭のいっそ人外が書いた作文だったらいいのにと思うような投稿との違い(比べるのも源さんに対して申し訳ない気持ちだが)を考えるうちに頭の中に「有機」と「無機」の文字が浮かんだ

有機と無機の違いとは、
・基本的には炭素(C)を含んでいるかどうか(一部例外あり)
・元々は生物がつくり出す物質を有機物としていたが、現在では人工的に有機物をつくりだせるため、炭素の含有を判断基準としている
生物に由来しない物質を無機物とする考え方もある

感覚で有機と無機が浮かんだが、きちんと意味を調べてみるとあながちその感覚が間違いでないことが分かる。

SNS上で散見されるインプレ稼ぎのポストやそれに群がる羽虫ポストは、生物(人間)からつくりだされた言葉ではない。
まさしく無機物だ。

その一方で源さんの言葉はまるで産直農家から出荷されたような作り手がしっかりと分かり安心できるお野菜のよう。
有機物そのものだ。

私はお育ちがよろしくないので、よくクソっと言ってしまうのだけど、有機と無機の視点で言うとクソは生物由来だからあいつらに言うには適していないのではと思ってみたり(笑)

何がいいんだろう?
石ころ?塵?埃?とでも呼んでやろうか。
そもそも呼ぶにも値しない。

私は自分から発する言葉はそれがどこで発するものであってもちゃんと私として出すものでありたい。
私から出荷された言葉がなるべく正しく、受け取ってくださる方に伝わるような努力はしたいと思う。
その点でおいても源さんの言葉の発し方や置き方はとても参考になるし、真似したいと思わせるものである。

そんな源さんの最新のエッセイ集「いのちの車窓から2」がいよいよ9/30に発行される。
本当に楽しみで楽しみで仕方ない。
ネット書店でも予約はしているが、配達されるのを待て!出来ないから朝一で近隣の実店舗に探しに行こうとすら思っている。
そして電子書籍でも読めるとは思うし、多分後からそっちも買うと思うけどまずは紙媒体を手に入れたい。
どうしよう、
手元に来たらスリスリしてしまいそうだし
クンクン匂いをかいでしまいそう。

先日のラジオで本を読んでの感想を書いてねと言われたので、拙い言葉でもちゃんと書こうと思う。
泥だらけの形のいびつなものかもしれないけれど、ちゃんと自分の言葉で書いたものを。

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