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豊山高校アメリカンフットボール部(PHOENIXへの架け橋)
2014年、新チームがスタートした。
3年生に宮川という選手がいた。
宮川は僕が監督になるまではWRをやっていた。
身長184センチで確か体重は80キロ代だった。
細かったが、恵まれた体格だった。
スピードもあったのでTE/DEにコンバートさせた。
高校生チームで体格の良い選手や運動神経が良い選手は大概オフェンスとディフェンスを兼任する。
だから僕は殆どの選手を兼任させた。
宮川を含めた3年生と2年生は僕が豊山高校の監督になって2年目。昨年まで3年生が1人だったチームの土台を支えてきた学年たちやった。
各学年で4人か5人は日本大学アメフト部でもプレーして欲しいと思っていた。
宮川もその中の1人だった。
その時から決めていた。
宮川を日本大学アメフト部に入部させて日本一のDEにしようと。
間違いなく社会人アメフトでも活躍できる人材まで上り詰めると思っていた。
体格やスピードは申し分無かった。
なんしか、これからの伸び代が無限大やった。
彼はチームNO.1の学力を持っていた。
彼は同級生とは楽しそうに話をしたりするけど、自分がどうしたいのか、自己主張が苦手で不器用な部分があった。
大人に対してはあまり自分を開かない、少し暗く見える一面もあった。
でも笑うと可愛い笑顔をする。
その年は豊山高校から東京選抜が数人選ばれた。
宮川は選ばれなかった。
僕は、選ばれた選手達には日本大学に進学してもフットボールを続けるように説得していた。
数名のうち2名はPHOENIXでプレーする事を自分で決めていた。
あとは選抜には選ばれなかったがチームNo.1の走力を持つ清水も志願してきた。
宮川はなかなか志願してこなかった。学力でも優れていたので勉学の道を進む事を考えているのかと思った。
彼みたいに恵まれた体格やスピードを持った選手は努力次第で間違いなく花が咲くと思っていたので、その気持ちを彼に伝えた。
最終的に正式な回答をしてきたのはシーズン中だった。
(PHOENIXでプレーしたいです。)
その一言が嬉しかった。
これで4名。
その学年20名のうちの4名だがPHOENIXでプレーする事を志願してきた。
そして彼らを特別推薦枠で大学に進学させる事にした。
その年のシーズンは東京都ベスト8で終了した。
関東大会一歩手前やった。
まだまだの結果やけど、豊山高校アメフト部創部史上最高の結果となった。
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次は関東大会出場を目標に。
と胸を張って言えるくらいのチーム力は出来てきた。