距離感という言葉は非常に危うい言葉で、距離感を保つづけようとすれば揉めることも怒りを覚えることも少ないかもしれないが、そのうちその人といることがなんとなく嫌になってしまうだろう。距離が近くなってもうまくやっていく技術について考えることのほうがずっと大切ではないだろうか。
悪いことをしたことに対する許容度が社会全体で下がっていることが実は最も大きな問題なのかもしれない。清廉潔白な人間を求め続ければ、何も行動しない何も発言しない方がいい、人とも関わらない方がいいし、仕事もしない方がいい。家庭も持たない方がいいし、どこにも出かけない方がいい、となる。
哲学実践はケアの側面がいる。ケアの側面がないと、人は心を開いて話そうという気持ちにならなくなっていく。これは多分ケアのスキルとセンスがないといけない。言葉は容易に刃に変わる。言葉をミスで刃として使わない方法は、ケアについて知ること。