Audio Track
Studio One には Instrument Track を Audio Track に変換する機能があります。
と書くと他の DAW にはないような誤解をする人がいるかもしれません。確認したわけではありませんが、多分、大抵の DAW には同じ機能があると思います。
Studio One の場合、Audio Track に変換したトラックは、簡単に元の Instrument Track に戻すことができます。これも他の DAW でも同様ではないかと思います。知らんけど。
ところで、Audio Track は想像できるけど Instrument Track って何、という人はいないでしょうか? 私が最初そうでした。
Instrument Track とは?
Instrument Track はざっくりいえば MIDI データが入っているトラックです。とか説明したら MIDI って何、という当然の疑問が出てくるわけですが、そこはパスします。MIDIは結構詳しいのですが、説明が面倒すぎます。
MIDI のデータを MIDI 対応楽器に送信すると音が出ます。MIDI データは楽譜のようなもので、WAVデータはテープに録音した音のようなもの、とイメージすればいいと思います。
DAW には Virtual Instrument といって、pc上で楽器をシミュレートして音を出す機能が用意されています。昔はハードウェアがないと音が出なかったのですが、今はハードウェアを使う方が超絶レアだと思います。
Virtual Instrument の処理は重い
MIDI のデータを楽器に応じた音にする処理は結構重いです。最近のpcは高スペックになったので問題ないことが多いのですが、pcによっては処理が間に合わなくて音切れやノイズの原因になったり、最悪の場合はpcが暴走したり異常終了、ということもあります。それはpcが悪いような気もしますが。
Audio Track とは?
Audio Track はいわゆる音声データが入っています。波形のデータです。pcが音を出す処理は MIDI に対応するよりも単純なので、負荷は比較的軽いです。
Instrument Track の処理が重い場合、私のように微妙なスペックのpcを使うとトラブルが発生します。それを回避するために、一応できたトラックは Audio Track に変換しておきます。これで処理が軽くなり、メモリ使用量も減らすことができます。修正したくなったら Instrument Track に戻して修正して、また Audio Track に変換します。
sf-20 の最後がオカシイ
sf-20 の final virsion を作っていたとき、最後に「ほわんほわん…」のように変にループしたノイズが残っていました。何だろう?
トラック毎に順に「S」を押して調べてみると、Massive X が出しているノイズであることが分かりました。リバーブで残った音にシンセ内部のエフェクトが複雑に影響して、面白いノイズが残ってしまったようです。
音は面白いのですが、今回は必要ないので消したい。でもどうやって? 簡単な方法は Automation で Volume を 0 にするという対応です。多分。
Audio Track に変換したらしっぽが消える
Studio One の Audio Track 返還は、イベントと同じ長さの Audio Track を生成するようです。
Instrument Track の場合、イベントが終わってもリバーブがかかっていたら音は出続けます。Audio Track は音そのものなので、トラックが終わったらそこで音は完全終了します。
リバーブも全て Audio Track にしたい場合、イベントの最後は長めにしておく必要があります。1小節空白を置いておけば大抵対応できると思います。
今回はそのような余裕を持たせずにイベントを終わらせたので、そこで音が終わることになりました。リバーブの部分は音が出ないので、カットされたわけです。
余談
半分残した件
sf-20 には Massive X を4トラック使っています。そのうち2トラックは Audio Track に変換していますが、残りの2トラックは Instrument Track のままです。
B'パートの最後、Audio Track にした2トラックは音がピタっと止まりますが、残る2トラックはリバーブの音が少し残ります。これは割といい感じなのでそのまま残してあります。