![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156591071/rectangle_large_type_2_745698f023e043468cc7f50880a4de10.png?width=1200)
左右の音が同じように聴こえるようにする
昨日の記事「左右の音が同じように聴こえない」の続きです。問題を簡単に説明すると、左右の耳の聞こえ方が違うときにどうやって作曲すればいいか、という話です。
左耳は高音が聞こえにくいから
先に結論を書くと、左耳が高音が聞こえにくい状態なら、左チャンネルの高音を強めに出す状態でモニターしながら作曲すればいいはずです。
イコライザーには左右別々に設定する機能がないので、まず出力を左右チャンネルに分けて、左チャンネルにイコライザーをかけて必要な周波数帯を調整して、最後に左右を mix する、という細工をします。
Splitter を使う
Studio One Professional には、バンドルされている Splitter というエフェクトがあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1727939973-gyu681UJq3trI2PcbE7vHDNM.png?width=1200)
Splitter を使うと、入力を複数のチャンネルに分ける(split する) ことができます。Split Mode (音の分け方)は、3つから選択することができます。
Normal 入って来た音をそのまま複数のチャンネルに分けます。
Channel Split 音を左右に分けます。例えば2つのチャンネルに分ける場合、チャンネル1が Left の音、チャンネル2が Right の音に対応します。
Frequency Split 基準となる周波数を指定して、それより高いか低いかで複数チャンネルに分離します。
今回使うのは Channel Split のモードです。Splitter の画面上のポイントに Pro EQ3 をドラッグしてやると、左右に別々の Pro EQ3 を通過させることができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1727940348-6jZhyD7Qs52raTlwe1GbKtoF.png?width=1200)
指定した Pro EQ3 は、左チャンネルは高音を強めに、右チャンネルを低音を強めに指定します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727940475-KbxiB6H7mvAFkj8gna1OCDru.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1727940489-t2BsSEJg7pWmVGQOlcMquAZY.png?width=1200)
このように、左右別々のイコライザーを使うことで、両耳が同じように聞える状態になるように調整します。画像は実際に使っている設定で、割と杜撰なものですが、とりあえずものすごく違わなければいい、という感じで適当に設定しています。
聞こえ方を確認する
左右同じように聞えることは、実際に音を出してみないと確認できません。そこで、テスト用の音を用意します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727940716-DVOheCL7W0FSHYyREkZ3sgqb.png?width=1200)
fig.5 のように、低音から高音まで単純な音を出すトラックを用意します。テスト用に作った song データは、トラック2が <L>、トラック3が <R> に割り当ててあります。同じ高さ、大きさの音が左右交互に出るので、同じ位の音に聞こえたらokです。
私の耳だと、この状態でイコライザーを使わずに音を出すと、音量が小さいときに、高音は右しか聴こえなくなります。この状態でループさせて聴きながら Pro EQ3 を調整して、左と右が同じように聞えるようにします。
左右反転して確認
以前、Mixtool というエフェクトを紹介しました(左右反転)。Mixtool を使えば、左右を反転して聴くことができます。そこで、Splitter の前にMixtool を追加して、左右を反転した音も確認できるようにしておきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1727941107-NaKgosAS7bz6tBUy5d8XRZce.png?width=1200)
左右のバランスが調整できたら、Mixtool の Swap Channels を使って左右を反転することで、同じ高さの音が同じように聞えることを確認することができます。
これは Pro EQ3 の調整をする時だけ必要になるので、song データを作る時には追加しなくて構いません。Pro EQ3 の設定を保存しておけば、新しい song データを作る時に使いまわせるので便利です。
mixdown の前にバイパス
以上のエフェクトは、Mix FX のチャンネルの Inserts に入れています。
![](https://assets.st-note.com/img/1727958397-gb6W7l2SHLncfzUV8s3BQ1i5.png)
mxidown の時は、調整に使ったエフェクトをバイパスして未調整の状態にしてから WAV データを生成します。これを忘れると、アンバランスな状態でリリース用のデータを作ってしまいます。
![](https://assets.st-note.com/img/1727958544-qM8cBOWNlnKYdVvzUsioDRJf.png)
Mix FX の Inserts に他の用途でエフェクトを追加している場合は、バイパスに注意が必要となります。
言うほど違う?
Studio One を使い始めて半年程度は、このような調整をしないで作曲して公開していたので、ある時期から雰囲気が少し変わったのかもしれません。
とはいっても、公開版の音源を聴いても、それほど違うような気がしないので、手間の割に効果は出ていないのかもしれません。
余談
Windows やスマホに左右独立設定できるイコライザーがあれば理想的
Studio One でこのような調整をするよりも、Windows や Android のオーディオ機能として左右独立して調整できるイコライザーがあれば、Studio One だけでなく YouTube や Spotify の音も左右均等に聴こえる人と同じように聴くことができるので理想的なのですが。
もしかしたらそのような機能とか、設定するためのドライバが既にあるのかもしれませんが、今のところそのような機能は発見できていません。
mixdown の時にレベルが
song 作成何にイコライザーを入れた状態で作ると、イコライザーを外した時に音量が変わってしまいます。
レベル合わせがちょっと面倒になるはずですが、現状はイコライザーを外したら少し音量が下がる状態なので、とりあえずイコライザーを入れて調整した状態のまま mixdown しています。