Too, Too Real の作り方を振り返る(4)
今回はドラムスの詳細を見ていきます。Too, Too Real もそうなのですが、私の曲のドラムスは基本、全部マウスクリックの打ち込みです。ループ音源のフレーズをそのまま使っている曲はありません。
DAW は Studio One Professional 6.6.4 です。
Groove Delay
出だしのリズムパターンはかなり単純で、1小節を1/8で刻んで表現すれば、1、2、3、4、5、6 拍目を叩いています。タタタタタトン、みたいな感じです。
ところが実際に鳴っているのはかなり複雑なリズムです。これは Groove Delay を使っているからです。
ドラムを1回叩くと、3/8、4/8、6/8、7/8 拍後に delay による音が発生します。叩いた音が5倍の数になるので、そりゃややこしく聴こえるわけです。
これを最初から最後まで続けると流石に訳が分からなくなるので、オートメーションを使って、最初の fill-in の所でbypass を on にしています。
bypass が on というのは、スルーする、つまり delay がかからなくなる、ということです。fig.3 を見ると、8と9の間で bypass が 0 から 1 になっていることを確認できます。
2つ目のパターン
0:16~のパターンは、シンバルが変則的なリズムを叩いています。
アクセントがあるのは、1/16、5/16、10/16 の3回です。3つ目の10/16 は、最初は 9/16 のタイミングで普通に叩いていたのですが、シンバルを別音源にして重ねる段階で、なぜか1/16ずらしています。Impact に打ち込んでミュートになっている元のリズムは、9/16 のままです。ただし、fig.4 にはその部分は出ていません。
ギターソロのバック
ギターソロのバックのドラムスは、Ride を1/8、3/8、5/8 で叩いてアクセントを付けています。(1:06~)
5/8のところは、fig.5 のように 11/16、12/16、13/16 の3回細かく叩いています。
ドラマーも目立ちたい
2:02~の3小節は、ドラムスが主役になっています。
割と好き勝手に入れた感じです。細かく刻むときはパターンだと対応が面倒なのでピアノロールをドラム入力モードにして入力しています。
他の箇所も、基本はパターンを一つ決めてコピー、fill-in の所だけ部分的に変える、というような手順で打ち込んでいます。
余談
バンドをイメージする
ギターやドラムスが入る曲を作る時は、バンドメンバーを想定して作っています。軽音バンド的なもので、ステージで演奏しているイメージで作っているので、メンバーがそれぞれソロで目立つようなパートを作ります。
今回はオルガンが後半疲れた感じで、だらだらとしたソロを演奏していますが、これはその雰囲気でいいかなと思ったのであまり凝らないようにしました。
タイトル画像
タイトル画像は Impact のドラムス音源に重ねている、KOMPLETE14 のドラムス音源の audio event です。3回目の頭が1/16 ずれているのが分かります。