平成ライダー史上最高視聴率の名作、仮面ライダーアギト
1.はじめに
まずはじめに、最近、仮面ライダーアギトの魅力についてまとめた記事を何度かまとめて、投稿してみましたが、自分が納得できる文章をなかなか書けていないです。
それだけ、私が子どもの頃に強い影響を受けた作品であるアギトには強い思い入れがあり、できるだけ多くの人に、アギトの魅力を知ってもらいたいと思っています。
大人になった今は、特にアギトのバランス感覚に優れた作風に好感を持っていて、今まで、アギト関連の記事を何度か投稿してきました。
今回の記事は、できるだけ仮面ライダーアギトの魅力をシンプルに凝縮して、なんとかアギトの良さを多くの人に知って欲しいという気持ちで、まとめてみましたので、是非、興味のある方はご覧ください。
今回は、平成・令和の仮面ライダーシリーズの中で、歴代最高視聴率の記録を持つ平成ライダー2作目「仮面ライダーアギト」とはどういう作品か?
放送当時、イケメンヒーローブームを巻き起こし、主役の賀集利樹さんや要潤さんが注目を集め、世の中を盛り上げただけでなく、その後も続く平成仮面ライダーシリーズの基礎を固めた功績を持つ名作、仮面ライダーアギト。
仮面ライダーアギトの印象深いセリフをまとめながら、アギトの作品としての魅力に迫っていきたいと思います。
2.登場する3人の仮面ライダー
仮面ライダーアギトには、「すでに仮面ライダーである男」津上翔一(アギト)、「仮面ライダーになろうとする男」氷川誠(G3)、「仮面ライダーになってしまった男」葦原涼(ギルス)の3人の仮面ライダーが登場します。
そして、3人が主人公であり、回が進むごとにそれぞれの物語が交わっていきます。
3人の仮面ライダーはそれぞれデザインや戦闘スタイル、武器などが全然違い、まるで違う作品の主人公が集結したかのような作品です。
この点において、アギトという作品は、歴代仮面ライダー作品の中でも唯一無二の作風になっています。
この3人の仮面ライダーが繰り広げる圧巻の群像劇に目が離せません。
また、物語後半に登場する木野薫(アナザーアギト)もいい味を出しています。
3.印象深いセリフ
ここからは、仮面ライダーアギトの印象深いセリフをいくつかに分類して、紹介していきたいと思います。
1.人の居場所についてのセリフ
仮面ライダーアギトには、人の居場所に関するセリフがたくさん出てきます。
主人公の翔一は、人の居場所を守るために、アギト に変身して戦います。回が進むにつれ、人の居場所を守るためには、自分の居場所も大切にしなければならないことに気づいていきます。
いくつか「居場所」に関するセリフを紹介します。
3話「俺の変身!」より
・自分のいるべき場所があるっていいなーって……
そういうみんなの場所、俺が守れたらいいなーって……(翔一)
4話「パズル解読」より
・自分の居場所もきちんと守りなさいよ。ここが、翔一くんの居場所なんでしょ (真魚)
32話「ギルス復活」より
・自分の場所を探しているのは私だけじゃないって…みんなそうなんだって…。(真魚)
34話「呼び逢う魂」より
・人の居場所を守るために戦ってきたのに、なんで自分のためには戦えないの?人のためにはあんなに勇敢だったじゃない。自分のためにも勇気をだしなよ。最初から恐がっていたら勝てるものも勝てないって。
(真魚)
50話「今、戦う時」より
・俺のために、アギトのために、人間のために…。 (翔一)
この50話ラストの変身シーンでのセリフは、すばらしいのはもちろんのこと、翔一が、ヒーローとして、仮面ライダーとして完成された瞬間だと思います。
自分もアギトも人間もすべて守っていくんだという姿勢が最高で、ヒーローにふさわしい名ゼリフだと思います。
2.フラットな視点で世界をみることの大切さを教えてくれるセリフ
12話「湖の激突!」より
・現実に耐えきれない人間もいる。世界は美しいだけじゃない。
・人間がみんな自分と同じだと思わない方がいい。 (涼)
19話「解散決定?」より
・あらゆる偏見を排除して、ただ事実を事実として直視する。あなたは最後に自分の信条を裏切った。
(北條)
27話「涼、死す…」より
・人は人に対してイメージをいだく。だが、そのイメージが正しいとは限らない。思いもよらないもう一つの顔を持っているかもしれないのだ。(沢木哲也)
31話「人の居場所」より
・誰かのことをこういう人だと言っても、そんなの分かんないじゃない。(翔一)
これらのセリフは、人を見た目や印象だけで判断しないことの大切さや自分の視点が全てではなく、世の中には、いろんな視点を待つ人がいることに気づかせてくれます。
できるだけ、偏見や思い込みを持たず、物事をフラットに見ることの大切さをアギトという作品は教えてくれるような気がします。
3.悩んでいる時に沁みるセリフ
34話「呼び逢う魂」より
・自分をあわれんだりしたくない。俺が今の俺である意味を見つけたい。いや、俺が俺である意味を必ず見つけなければならないんだ。(涼)
42話「あかつき号」より
・人は後悔しないように生きるべきだ。自分の思い通りに…。自分の人生を狭くするのは他人じゃない。本当は自分自身なんだよ。(木野)
この木野さんの言葉を聞いて、一緒に船に乗っていたメンバーがそれぞれ前向きにがんばろうという気持ちになってきた矢先、あかつき号事件が起きて、その後、みんな立ち直ることができなくなるのは、辛い展開でした。
だからこそ、42話ラストで、翔一が「誰も人の未来を奪うことはできない」と言い、変身するシーンは心に響くものがありました。
48話「星の支配者」より
・裏切られるのも悪くない。その分、人の痛みも分かるようになる。夢なんかなくても生きていける。普通に生きていくのが俺の夢だ。花は夢を持っていると思うか?それでも、花は咲く、花は枯れる。そういうふうに生きていければいいと思う。(涼)
50話「今、戦う時」より
・人は自分で自分を救わねばならない。君が君でいられるか、君でなくなるか、それを決めるのも自分自身だ。(沢木哲也)
これらのセリフは、悩んでいる時に、何か気づきを与えてくれる言葉です。
このような、自分自身と向き合うきっかけを与えてくれるセリフがアギトにはたくさん出てきます。
4.アギト 劇場版「PROJECT G4」での名ゼリフ
・生きるってことは、おいしいってことじゃないですか、キャベツを食べても、大根を食べてもおいしいんです。もしかしたら、何も食べなくてもおいしいんです。死を背負ったりしたら、まずくなります。
(翔一)
・僕は生きるために戦う、生きることをすばらしいと思いたい…。 (氷川)
アギトは、生きることのすばらしさを教えてくれるセリフやシーンが多いです。
特に「生きるってことはおいしいってことじゃないですか」というセリフは、仮面ライダーアギトという作品の真髄を表しているように思います。
アギトには、日々の何気ない日常を噛み締めて、明るく生きることのすばらしさを教えてくれるシーンがたくさん出てきます。
例えば、翔一くんが畑で野菜を育てるシーンや翔一くんと氷川さんのコメディシーン、美杉家やG3ユニットの食事シーン、涼が、翔一くんが作った野菜を食べて笑顔になるシーンなど、適度に笑えて、心があったかくなるシーンがたくさんあります。
アギトという作品は、ちょっとした日常シーンで生きることのすばらしさやあたたかさを感じさせてくれる作品だと思います。
4.君のままで変わればいい
今回、いくつかセリフを挙げてみて、仮面ライダーアギトという作品の魅力を再確認することができました。
翔一の「何も食べなくてもおいしいんです」という言葉も好きで、この言葉を思い出すと、普段の生活で、もっと太陽の光や風、水の音、美しい花などの自然を感じながら生きなければならないという気持ちになります。
また、アギト主題歌の「君のままで変わればいい」という言葉もすばらしいと思います。
この言葉は、他人の生き方を真似する必要はなく、自分で自分なりの生き方を見つけて、自分らしく生きることが大切なんだと教えてくれているような気がします。
そして、沢木哲也の「人は自分で自分を救わねばならない」という言葉も深い言葉で、他人に助けられることはあっても、結局は、自分のことは自分にしか分からない以上、本当の意味で自分を救えるのは自分だけだということなのだと思います。
今回、アギトに出てくるたくさんのセリフを紹介しましたが、他にもたくさん良いセリフがあるので、アギトを見て、探してみてください。
5.完成度が高く、惹き込まれる1話
私は、当時4才になって1ヶ月経ったくらいの時にリアルタイムでアギトの1話を見て、一瞬で心奪われました。
特に、1話終盤のアギトの登場の仕方、戦い方、角が開いてのライダーキックなど全てが自分に刺さりました。
戦闘時に流れる「BELIEVE YOURSELF」という曲も一瞬で好きになりました。ヒーローソングとして完璧すぎます。
下の動画は、仮面ライダーアギト、1話全体の公式動画です。非常に完成度が高く、惹き込まれる内容なので、まだ見たことのない人は見てほしいです。
1話は、アギトの戦闘シーンだけでなく、G3の装着シーンなど、見どころたっぷりです。
5.完成度が高く、元気を与えてくれる名作
仮面ライダーアギトという作品は、ストーリー、戦闘シーン、音楽など、すべての要素のクオリティが高く、非常に完成度の高い作品です。
ストーリーは面白くて、戦闘シーンはかっこよく、音楽は熱くて神秘的です。
謎解きドラマや刑事ドラマとして見ても面白いし、ホームドラマとして見ても面白いです。さらに、哲学や神話のような深い視点で見ても面白いし、コメディとしても面白い、もちろんヒーロー番組としても最高です。
つまり、仮面ライダーアギトは、見る人によって、いろんな楽しみ方ができる器の大きい作品だと言えると思います。
アギトをお弁当に例えると、いろんや具材がバランス良く入っていて、誰が食べても、それなりにおいしいと感じることができる、幕の内弁当のような作品だと思います。
実際、数字上も現れていて、全話平均視聴率は11.7%、最高視聴率は13.9%と朝の番組としては、とんでもない数字を叩き出しています。
ちなみに、全話平均視聴率が10%を超えている作品は、平成・令和ライダーの中でアギトだけです。
同時代の、クウガ、龍騎、555、ブレイドの平均視聴率よりさらに2%以上高い数値を叩き出していることが全てを物語っています。
アギトを見ていると、人生辛いことはたくさんあるけれど、それでも、生きるってことは悪いことばかりではないという気持ちにさせてくれます。
特に最終回のラストシーンは、アギトらしく、とても爽やかで、最高の締め方をしているので、子どもの頃、何度も見返していました。
最後に、仮面ライダーアギトは、見るだけで、優しさや元気を与えてくれる作品なので、何度見返しても楽しめる名作です。
アギト世代でない人にも是非見てほしいです。
本当にすばらしい作品なので…。