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仮面ライダーシリーズ屈指の名作、仮面ライダーアギト
1.はじめに
今回は、仮面ライダーシリーズ屈指の名作、平成ライダー2作目「仮面ライダーアギト」の唯一無二の作風とその魅力について書いていきたいと思います。
仮面ライダーアギトは、平成ライダー以降の作品の中で、最高平均視聴率である11.7%という記録を持ち、平成仮面ライダーの基礎を固めた作品としても有名です。
また、その人気から、当時ゴールデンタイムでスペシャル番組が放送されました。
さらに、平成ライダーシリーズで初めて映画が作られたのもアギトでした。
今回は、他の仮面ライダー作品では味わえないアギト唯一無二の個性とその魅力に迫っていきたいと思います。
2.仮面ライダーアギト、唯一無二の作風とその魅力
1.先の展開が読めない謎が謎を呼ぶストーリー
アギトの特徴の1つとして、謎が謎を呼ぶストーリーをあげることができます。
ストーリー序盤は、主人公の過去に何があったのか、ヒロインの父親の死の真相は何か、敵の目的はなんなのかなど、気になる謎がたくさんでてきます。そして、これらの謎が中盤から終盤にかけて徐々に解明されていきます。
アギトは、終盤の42話〜46話あたりの話で、怒涛の伏線回収が行われます。
特に、42話「あかつき号」は、仮面ライダーシリーズ屈指の神回と言っても過言ではないくらいすばらしい回で、この回を、子どもの頃リアルタイムで見た時は、鳥肌が立ちました。うまくは説明できませんが、すごく感動したのを覚えています。
謎が謎を呼ぶ系のドラマが好きな人で、アギトを見たことがない人がいれば、かなりおすすめです。
仮面ライダー作品だけでなく、一般のドラマでも1年かけて、謎を解明していく作品は、ほとんどないと思うので、そういう意味でも貴重な作品だと思います。
2.圧巻の群像劇
仮面ライダーアギトには、最初から、アギト、G3、ギルスという3人のライダーが登場します。そして、3人とも主人公であるということが、アギトという作品の唯一無二の個性だと思います。
3人それぞれが違うストーリーを持ち、置かれた立場やライダーのデザインも全然違うのですが、話が進むにつれ、だんだんストーリーが交錯していきます。3人が話が進むにつれ、徐々に仲良くなっていくのも見所の1つだと思います。
違う作品の主人公同士が仲良くなっていくという感覚に近いです。この感覚を味わえるのは、平成ライダー以降の作品では、アギトだけだと思います。
アギトは、仮面ライダーシリーズの中で、物語序盤から複数の仮面ライダーが登場した最初の作品で、その後の仮面ライダーにも引き継がれていくのですが、登場する仮面ライダー全員が主人公で、全ライダーに満遍なく活躍シーンがあるのはアギトだけなので、その点においても唯一無二の作品といえます。
アギトには、アナザーアギトという第4のライダーも登場するのですが、このライダーが、アギトより後の作品において、サブライダー(2号ライダーや3号ライダー)と呼ばれるライダーのような役割をしているのではないかと思います。
一般ドラマにおいても、複数の主人公の群像劇を一年かけて放送するドラマはなかなかないので、この点においても貴重な作品です。
3.ラスト5話をエピローグにした唯一無二の作品
仮面ライダーアギトは、全51話ありますが、46話で話はいったん落ち着きます。
47話以降はエピローグとして、ヒーローの人間としての日常を中心に描かれています。ヒーローとしての戦いがひと段落ついたとしても、日常の生活は続くからです。ヒーローも人間なので、一般の人と同じように新しい出会いや別れが経験し、生きていくのです。
それに伴い、3人のライダーも46話までは、一緒に過ごす時間も増えていたのですが、47話以降は、それぞれ自分の生活に戻るのです。
なので、3人のライダーは、常に連絡をとりあうような関係ではありませんが、確かに3人の絆は存在しているという感じが良いのです。
毎日会うような関係ではないが、お互いピンチの時は助け合うという関係性が素晴らしいと思います。
これについては、昭和ライダーのように、普段はそれぞれの仮面ライダーが別の地域を守っているが、お互いピンチの時は助け合うというような関係性と似ており、仮面ライダーらしさも感じていいです。
アギト終盤で、心温まる私が好きなシーンを紹介します。どちらも何気ないシーンです。
1つ目は、葦原涼(ギルス)が、津上翔一(アギト)がレストランでバイトをしている姿を外からこっそり見て、応援するシーン
2つ目は、氷川誠(G3)が、地元に帰らなければならなくなり、津上翔一に別れを言いにくるシーン
これらのシーンはちょっとしたシーンなのですが、アギトの良さが詰まったシーンだと思います。
アギトという作品は、序盤から人間関係を繊細に描いているので、それが終盤の何気ないシーンに効いていて、本当に温かい作品だなと思います。
47話以降の展開について、アギトを見たことがない人向けに分かりやすく説明するとすれば、アギトは、他の仮面ライダー作品だと、スピンオフとしてネット配信されてそうな最終回後の世界を本編で見ることができると思ってもらえば分かりやすいかと思います。
しかし、実際のところ、46話まででアギトという作品の問題が全て解決しているわけではないので、スピンオフという言い方はふさわしくありません。自分としては、スピンオフという言葉であまり表現したくないというのが正直なところですが、アギト未視聴の方でもどんな感じが想像しやすいようにこの表現にしました。
むしろ、アギトという作品の良さと本質が詰まっているので、最高のエピローグだと思います。
特に、最終回の51話は、名シーンだけで構成された回なので、最高です。あんなに熱くて、爽やかな最終回は、他に見たことがないと言っても過言ではないくらい素晴らしい最終回です。
歴代仮面ライダーの最終回の中で、自分が1番何回も見返しているのが、アギトの最終回です。それくらい最高の終わり方でした。
3.未来に希望が持てるヒーロー像
アギトという作品において、従来の仮面ライダー作品のように、仮面ライダーであることの孤独さや悲しみは描かれているのですが、主人公3人のライダーは基本的に仮面ライダーであることの悲壮感があまり漂っていません。
津上翔一や葦原涼が、自分がアギト(ギルス)であることについて悩むシーンはあるのですが、2人とも根っこの部分にヒーローにふさわしい資質を持っているため、多少の困難があっても、乗り越えて、ヒーローであり続けることができる人間としての強さがあります。
また、氷川誠も、G3を装着できようが、できまいが、人々を守りたいという気持ちが根っこにあるため、ヒーローとして、決してブレることはありません。
津上翔一は悲惨な事件に遭遇し記憶喪失、葦原涼は不幸な出来事を多数経験、氷川誠は終盤での警察内での扱いが酷いなど、3人とも闇堕ちしてもおかしくないはずですが、そういう気配すらない心の美しさが素晴らしいです。
特に、葦原涼は悲惨な出来事に遭遇しすぎて、闇堕ちしても文句は言えないレベルでしたが、本人の心の強さと、前向きに生きる翔一くんと出会ったことで、間違った方向に進まなくて、良かったです。
アギトという作品が扱っているテーマやストーリーはシリアスで、一歩間違えたら、かなりダークなヒーロー作品になってもおかしくないのですが、真っ当で未来に希望が持てるヒーロー作品になっているところがアギトの良いところだと思います。
4.まとめ
今回は、仮面ライダーアギトの作品としての唯一無二の魅力について書いてきました。
私は、アギトという作品を爽やかで、気持ちの良い作品だと思っています。
なんというか、アギトを見るだけで、明るい希望の光を浴びているような感覚になれる、そういう作品だと思います。
そして、ストーリー、デザイン、戦闘シーン、音楽など、どの要素をとってもクオリティの高い作品です。このような作品は、なかなかないです。
仮面ライダー作品として素晴らしいのはもちろんなのですが、一般のドラマでもなかなか見られないようなストーリー展開をしているので、仮面ライダーという枠を超えて評価されている作品だと思います。
総合的な完成度がかなり高い作品なので、もしまだ見たことがない人がいれば、見てほしいです。
何回見ても面白い最高の作品なので…。
・下の記事では、仮面ライダーアギトの良さついて、別の切り口で書いているので、興味のある方は、是非ご覧ください。