坂
人生には3つの坂があるという。
上り坂、下り坂、「まさか」。
人生は思いがけない出来事が連続して起こる。私たちが予期しないタイミングで彼らはやってくる。大小関わらず突然やってくる。彼らのことを私たち人間は回避することはできない。ならば、私たちはその出来事たちにどう立ち向かっていくか、どう処理をしていかなければならないかということを本質的に考えなければならない。まあ、そんなことができればこの世から「悩み」というものはそもそも存在しないんだけど。
刺激的な毎日を送る人生は理想的だ。新しいことにチャレンジして、困難を乗り越えて、その結果自分自身の人間性が成長する。まさに理想的であると言え、人生が豊かになるであろう。しかし、チャレンジという行為は心に傷を負うリスクもある。その傷の深さによっては、今後の人生を大きく左右するものにもなり得る。そんな副作用を抱えてまでチャレンジしたいと思えるか。私はそうは思わない。全然つまらない、何の坂もない平坦な道であろうとも、危険がなければそれでいいじゃない。もっと優れた道を見つけるためにほかの道を探すことなんてしなくていいじゃないと思う。
しかし、人生は私たちの心の中を考慮しないらしい。
平坦な道はそもそもないらしい。
コロナウイルスに感染したら、死のリスクがあると言われワクチンを打った子が、そのワクチンが原因で亡くなったらしい。
コロナウイルスに感染したくないから、家にじっとこもっても自身で家が倒壊する可能性だってないわけではないし。この世に絶対はないらしい。
でも、じゃあ毎日競争にありふれた、いわば資本主義の生活が日常茶飯事になったなら、そんな世界に生き残れる人はだれ一人としていない。そんな考え方は人間のもっともな解決法とは言えないし、誰も望んでいない。きっと神様もそんな世界を創造するために人間を誕生させたわけではない。
じゃあ「ほどほどの刺激」の間で生きればいいじゃんと思うが、そうはいかない。なぜなら「まさか」が突然やってくるからだ。私たちの平坦な人生に水を差す出来事が突然割って入ってくる。心を揺さぶってくるあいつら。
道の障壁であるそれらをどう扱えばいいんだろうか。